二宮 清純氏 プロフィール
にのみやせいじゅん氏。1960年 愛媛県八幡浜市生まれ。八幡浜高校を経て、日本大学商学部卒業。スポーツ紙や流通紙の記者を経て、フリーのスポーツジャーナリストとして1987年に独立。オリンピック・サッカーW杯・メジャーリーグ・ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開。ジャーナリストとして活躍する一方、「地域」と「住民」を主体としたスポーツクラブづくりにも取り組んでいる。テレビのスポーツニュースや報道番組のコメンテーター、講演活動と幅広く活動中。現在、株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役。
ホームページアドレス: http://www.ninomiyasports.com >

阪 井   スポーツジャーナリストというお仕事とホームシアター。どこに接点を求めるか悩んでしまいました。いきなりですが、この映画からご覧下さい。


--- 映画「オールド・ルーキー」を、見て頂きました
二 宮   この映画は見たことがあります。実在のメジャーリーガー、ジミー・モリスの話ですね。一度野球をやめたモリスが教壇で「お前たち夢を持て」とやったら、生徒から逆に「先生こそ夢をかなえたら」と励まされた。そこで36歳という最高齢ではじめてメジャーリーグのマウンドに立ったのです。アメリカの人は、この手の努力して夢をかなえる物語に、ジーンと感動する映画が好きなんですよね。映画も野球もアメリカを代表する文化、そういう意味では良い接点ですね。ところで、この席から見てると、本当にすばらしい音の魅力ですね、特等席だから映画館以上の迫力ですね。
阪 井   ありがとうございます。映画館にはよく行かれますか。
二 宮   昔はよく行きましたが、今は忙しくて月に二度くらいです。このソファーに腰掛けて140インチのスクリーンを独占するのは最高の気分です。とてもリラックスできます。メジャーリーグのスタジアムでも同じく革張りソファーのある個室があり、そこでリラックスして観戦することができます。どちらもアメリカンスタイルの贅沢でしょう。シアターでも、スポーツでも、ちょっと心の贅沢を味わってみるのもいいものですね。
阪 井   スポーツと文化は一体ということでしょうか。
二 宮   一体というより、スポーツは文化そのものです。スポーツで汗をかいた後に、クラブハウスで食事をしたり音楽を楽しむ。会話が弾んで、交流が活発になってゆく。 それが人と人の交わりであり、大切なコミュニケーションです。欧米では地域のスポーツクラブにおいて、オーケストラや音楽、ファッション・踊りなどで住民たちが結びついています。
阪 井   日本ではスポーツがやる人と見る人、に分かれているようですね。
二 宮  
日本には「クラブ」という概念がありません。ほとんどは「チーム」です。「クラブ」が家庭=みんなで楽しむに対して、「チーム」は集団というか、楽しむということよりも目的を達成するためのものという意味合いが強くなります。特に日本では企業がチームを運営することが多く、「クラブ」としての交流のすばらしさには至らないケースがほとんどです。もっと「クラブ」としてのコミュニティ作りが今後、望まれます。そういう意味で、私は日本の各地に、人と人とが結びついたコミュニティづくりのお手伝いをしたいと考えています。野球、サッカーは人気スポーツですが、それ以外にも、水泳や陸上、格闘技、ジャンルにこだわることはありません。インターネットのマガジンを始めたのも、地域スポーツをもっと活性化させたい、という思いからなのです。時代は中央集権から地方分権へ。スポーツが変われば地域が変わる。地域が変われば日本が変わる-----私はそう思っています。
阪 井   確かに二宮さんの記事を読むと、コミュニケーションの必要性が語られていますね。二宮さんの会社の名前も(株)スポーツコミュニケーションズですし、その大切さを込めた発信を続けておられるわけですね。
それでは一息いれて、リクエストのあった「モハメッド・アリ」をご覧頂きましょう。
---「モハメッド・アリ」を、見て頂きました
二 宮   古い記録映画ですが、実況中継、BGMの音楽も含め懐かしさと共に、私の好きな一本です。やはりこうしたきちんとしたシアターで見ると感慨も大きく膨らみます。
阪 井   最近のスポーツ番組と比べると、淡々とした感じの実況中継ですね。日本で最近よく目にする絶叫型のエキサイティングな中継とはずいぶん違いますね。
二 宮    
スポーツの感動を伝えるのに抽象的な「汗」「涙」という言葉を使った押し売り表現は好きになれません。プロの目で技術的な分析もきちんと加えることにより、試合のキーワード、勝因、敗因などをしっかり伝えることが大切です。
二 宮   アナウンサーによっては、やたら自分が興奮することによって、盛り上げようとするのを見かけますが、これは逆に場を白けさせてしまいます。主役の選手や大事なシーンを引き立たせるためには、抑えることも必要ではないでしょうか。色でも、黒を浮き立たせたい場合は、まわりを白くするでしょう。なにがなんでも情報を詰め込んでしまうのではなく、抑えることも覚えていかないとね。
阪 井   二宮さんの原点を見た気がします。もうひとつ、質問させてください。今年の年末からは地上デジタル放送も始まりますが、これにより画質の解像度が増してきます。もちろん、生でみることが一番だと思いますが、逆にテレビの映像だから気付かされたというようなエピソードはありませんか。
二 宮   94年、USでのワールドカップサッカーのテレビ放送で、イタリア代表、ロベルト・バッジオの足がアップになったときです。ちょうど私は現地から日本に帰ったときにBSデジタルの実験放送を見る機会に恵まれたのですが、彼の足に二本の傷跡(縫い目)があるのが、くっきりと映し出された時、思わず言葉を失ってしまいました。その一つの大きな傷の方を見ただけで、100万語の解説より、彼の背負っているものの大きさと、これまでの道のりの長さが一瞬にして浮かび上がってきました。映像が言葉を振り切った瞬間でしたね。
阪 井   ありがとうございます。スポーツ中継を家のホームシアターで観戦するということは生以上の深い部分もあるのですね。では、話題を音楽に変えさせてください。まずはリクエストのあったイーグルスのライブ盤DVDをご覧下さい。
---「イーグルス/ホテル・カリフォルニア」を、見て頂きました
二 宮   数年前、メジャーリーグの取材に行ったときに本物のホテル・カリフォルニアを見ました。ウエストコーストの明るくカラッとしたイメージとは違い、太陽は当たらず、暗くまるでお化け屋敷のようでしたよ(笑)。学生時代はよく音楽を聴いていました。ブリティッシュ系やアメリカイースト系も好きですし、当時、フュージョンとかクロスオーバーとか呼ばれた出始めのものも聴きました。実は、投稿ですが雑誌「rockin'on」の原稿も書いていたことがあります。とにかく手当たりしだい聞いていました。クイーンやキッス、バッドカンパニーは、ちょうど僕が中学か高校生くらいのときのデビューのはずです。あと、エマーソン・レイク&パーマーやイエスなども好きでしたね。特にエアロ・スミスの「ユー・シー・ミー・クライング」は一番の名曲だと思いますね。

阪 井   そうなんですか、有名な音楽雑誌に書かれていたとは! 音楽への入れ込みは、すごかったのですね。ところで音楽はレコード鑑賞派だったのですか。
二 宮   いえいえコンサートにもよく行きました。出身は愛媛県ですので松山に見にいきました。日本人では井上陽水、吉田拓郎、中島みゆき、浅川マキ、五輪真弓、山崎ハコなどが好きでした。高校時代はバンドも組んでいまして、ビートルズのナンバーはほとんどカバーしました。私は今でもジョン・レノンの信者ですが、ジョージ・ハリスンの「ギターは泣いている」は毎晩聞いていましたね。
阪 井   まさに本格派の感じですね。そうなると、お聞きしたいのがオーディオに関する興味ですが、その点はどうだったのでしょうか。
二 宮   オーディオにも興味があり、当時は最新のものを買っていました。もっともオーディオに興味をもったのは、父親の影響が大でした。親父は電蓄を組み立てたり、自分の尺八の音をテープレコーダーに録音するなど、かなりのマニアでした。美空ひばりのレコードも全部持っていたはずです。そうした影響で私も音楽、そして、オーディオとの縁ができたと思っています。
阪 井   勉強不足でした。二宮さんが音楽やオーディオに対して、こんなに造詣が深かったとは。では、昔を懐かしんでリクエストの曲を何曲かCDでおかけします。
「イーグルス/デスペラード」「ジョンレノン/イマジン」「美空ひばり/悲しい酒」・・
(二宮さん、軽く口ずさみながら聞く)
二 宮   この3曲には、それぞれ思い出があります。学生時代に元気付けられた曲、毎朝、学校に行く前に聴いていた曲、そして、親父がウイスキーグラスを片手に聴いていた曲、ほんとうに懐かしい曲です。
阪 井   では最後になりましたが、ご持参頂いたDVDをお掛けしたいと思います。
---クリスティーナ&ローラ 「FIRENZE」をご覧頂きました
二 宮   最近は気持ちをリラックスさせるのに聴いています。アコースティックな音色もいいですし、この曲、エンニオ・モリコーネのニューシネマパラダイスの主題曲は映画のラストシーンが浮かんで涙がでます。好きな作品が本当に良い映画でした。僕の場合、東京に出てきてからは貧乏学生だったので、良い音やAV機器からは遠ざかってしまいました。ビートルズから70年代までの音楽がすべてで、もう20年くらいのブランクという感じです。こういう気持ちのよいサウンドで家でも聞けたらなと、よけいに思いますね。
阪 井   本日は、楽しいお話を本当にありがとうございました。



オーディオに関して知識が豊富なだけではなくて、学生時代は幅広いジャンルの音楽を楽しんでおられたようです。今回の視聴をきっかけに、二宮さんの忙しい生活の中にオーディオライフが戻ってきてくれるとうれしいなと思いました。それから、このインタビューが10月中旬でしたので、日本シリーズの予想を超大接戦と聞かせていただきました。その結果は・・・・・。どちらにしましても、ひとまわり以上も年下の私がいうのもヘンですが、、<背筋の通った青年>二宮さん、ありがとうございました。

 


戻る

Netscape4.0、IE4.0以上でご覧になることをおすすめします。