■海外部門

第2回オンキヨー点字作文コンクール(海外部門)について

アイヴァン・ホー・タック・チョイ
世界盲人連合アジア太平洋地域協議会事務局長

 オンキヨー点字作文賞を設けられたこと、またそのプロジェクトに私どもの参加を要請されたことに対し、世界盲人連合・アジア太平洋地域協議会(WBU-AP)は、心から感謝を申し上げます。また、もともと日本の視覚障害者を対象としていたこの点字コンクールを、アジア太平洋地域の視覚障害者にまで対象範囲を広げられたことに対しても感謝申し上げます。
 8月9日、国立ビンタンホテルにて、8カ国28作品の審査が行われましたことをご報告申し上げます。審査は困難を極めましたが、全員一致により、決定されました。
 読み書きの能力の向上のために今回のプロジェクトを企画していただきまして、ここに改めてお礼申し上げます。

第2回オンキヨー点字作文コンクール海外の部 選考委員会報告

日時:
2004年8月9日(月)
場所:
マレーシア国 クアラルンプール市 国立ビンタンホテル

1.世界盲人連合アジア太平洋選考委員会 メンバー
選考委員会委員長
クア・チェン・ホク氏(WBU-AP議長)、シンガポール
調整役
アイヴァン・ホー・タック・チョイ氏(WBU-AP事務局長)
書  記
ゴッドフリ・オーイ・ゴートスィー氏(招待)、マレーシア
委  員
モンシャン・ブンタン氏(WBU-AP幹部)、タイ
委  員
山口和彦氏(WBU執行委員)、日本
委  員
ジャスミン・クー・キム・チン夫人(WBU-AP出納係)

2. 応募作品
 各国に国内選考委員会を設けて、それぞれの国から5作品提出してもらうという提案に応じてきた国は、実際には6カ国でした。その6カ国から総計26作品が送られてきました。オーストラリア、中国、インドネシア、マレーシアからは5作品ずつ、韓国とタイからは3作品ずつでした。その他、ニュージーランドとカンボジアの2カ国は、提案どおりの国内選考委員会を立ち上げることはできませんでしたが、それぞれ1作品ずつの応募がありました。

3. 受賞作品と選考評は別掲しています。 (下記参照)

4. 選外特別賞の設定
 世界盲人連合・アジア太平洋選考委員会は、次の2作品に特別賞(賞金50USドル)を贈呈いたします。

(1) ザカリア・アーロン・クラークソンさん、11歳 オーストラリア
大人の参加者にまじって11歳という若さを考慮しました。
(2) チャンサリス・ナヴさん、32歳、カンボジア
カンボジアからただ一人応募し、短期間で点字を習得して、彼の人生に大きな衝撃を与えたことを考慮しました。

5. お礼
 世界盲人連合・アジア太平洋協議会、この点字作文コンクールの成功のために努力と貢献をして下さった、すべての応募者の皆様、よい作品を世界盲人連合・アジア太平洋オンキヨー点字作文コンクール選考委員会に送ってくださったオーストラリア、中国、インドネシア、マレーシア、韓国、タイの各国内オンキョー点字作文コンクール選考委員会の皆様、コンクールを創始し、アジア太平洋地域にまで初めてこのコンクールを広げていただき、世界盲人連合に協力していただいたオンキヨー株式会社、毎日新聞社(点字毎日)の方々に心からの謝意を表します。ありがとうございました。



■海外受賞作品
◎海外最優秀オーツキ賞  賞金 1000 U.S.ドル 副賞(記念品)
  「点字が私の人生を変えた!!」 オーストラリア アマンダ・キム・アカットさん(15歳・学生)
◎海外優秀賞   賞金  500 U.S.ドル 副賞(記念品)
  「点字で成功を成し遂げる」 インドネシア ワシ・クルナエシさん(50歳・女性)
  「点字がいかに生活を変えたか」 オーストラリア キリー・リーナ・フォースさん(18歳・女性)
◎海外佳作(2編)   賞金  200 U.S ドル 副賞(記念品)
  「点字を通し幸せを収穫」 インドネシア サリム・ハルジョさん(47歳・男性)
  「点字習得の旅」 オーストラリア ローズマリー・ロクランさん(48歳・女性)


入選作品は、作品タイトルのリンクからご覧いただけます。
音声読み上げソフトをご利用される場合、本来の読み方とは異なることがありますので、ご了承ください。



 選考評「点字の有益性」 選考委員長 クワ・チェン・ホック(シンガポール)


 はじめに、この選考にあたっては世界盲人連合・アジア太平洋地域協議会(WBU−AP)の役員のなかから6人の選考委員を選び選考に当たりました。今回は、オーストラリア、中国、インドネシア、マレーシア、韓国、タイ、カンボジア、ニュージーランドの8カ国から28編の応募がありました。選考にあたって次のような基準を決めました。

 ・点字が本人の日常生活に具体的に役立っているかどうか。

 ・点字が本人の知識、才能、技能の向上に実際に役立ったかどうか。

 ・文体や様式などにとらわれない。

 各作品ともそれぞれ興味深く、選考は大変難しいものでしたが、以下のように入選者を決定しました。

最優秀オーツキ賞:アマンダ・キム・アカットさん(15歳、女性、オーストラリア)

 アマンダさんは、まだ15歳で人生経験は浅いのですが、点字との出会いを飾りのない率直な形で綴っています。幼い頃から点字に興味を覚え、やがて海外の友人との文通にも点字を用いるようになります。作品のなかで触れていますが、友人とウノを楽しむために点字がなければなんとか自分で工夫していこうという積極性がみられます。彼女は点字を使えるということから生きることに自信を持てるようになりました。

 一方、優秀賞に入った50歳のワシさんは、若いときから点字のすばらしさに気づいていましたが、結婚生活に入ってさらに点字を駆使して生活をエンジョイしている様子を淡々と綴っています。

 また、キリーさんは、点字では先生を超えるほどの力を身につけ、その習得が自立と自活へつながると断言します。点字がいろいろな可能性を広げ、点字への自信は、がんによる幼いころの失明を十分補えるものとなりました。

 サリムさんは、失明の絶望と孤独感を詩の形で表現しました。点字が暗黒のなかに見るかがり火といい、点字がコミュニケーションの手段として最適だと主張します。

 ローズマリーさんは、40歳で失明しました。失明の苦しみがどんなに辛いか。毎日が夫や子供に依存せざるを得ない状況のなかで点字に巡り遭います。やがて点字で日常の料理の本なども活用できるようになります。彼女の点字の習得の道は、まさに自由と自立を獲得していく話でした。

 最後に、応募作品をひとつひとつ読むたびに、点字の有益さが伝わってきます。このオンキヨー作品コンテストのお陰で、点字の重要さを再認識させられた人が多かったでしょう。この機会を作っていただいたオンキヨー株式会社と毎日新聞社「点字毎日」に感謝し、今後ともこのコンテストが継続されることを切に希望します。





* オンキヨーはラクラクキットを通じてバリアフリーを推進しています。ラクラクキットは無料でご提供しています。→ONKYOバリアフリーサイト「らくらく館」こちら
* テクノエイト株式会社は点字プリンターを通じてバリアフリーを推進しています。テクノエイト点字プリンターはこちら
* 第一回点字作文コンクールの入賞作はこちら


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