海外の部 ABU地域 ジュニア・グループ 佳作
自立した視覚障害者になること…それをどう理解し、実現するか?
タジキスタン シヨヴシ・イルヤソブ (24歳・男性)

視覚障害者であっても自立できます。いったん何を知る必要があるかが分かって、それらに慣れさえすれば、自立はごく自然に当たり前になるのです。自分で金銭管理をしますか?移動・交通手段を自分でアレンジしますか?一人暮らしですか?それともあなたを保護しようとする家族と一緒に住んでいますか?自分の生活を上手くまとめていますか?興味のあることをしたり、心配や悩みごとを自分で何とかしたり、食事の支度や買い物をしたり、自分の好きな仕事に就いたり、家の掃除やメンテナンスなどもしていますか?自分の視覚障害を受け入れていますか?現代テクノロジーを学ぼうと努力していますか?、周りの人たちとコミュニケーションをとっていますか?それとも常に自己模索していますか?一人で旅行しますか?出かける時、白い杖を使いますか?あなたがこのようなことをしたいと望むのであれば、全て可能なのです。
地域社会に溶け込み自立するためには、視覚障害のある人は自分の障害を受け入れ、最低限のスキルを習得しなければなりません。しかし、世界の多くの視覚障害者のための学校では、読み書きに重点を置き、そのほかのスキルに関してはほとんど重要視しません。視覚障害のある子供にとって、聞いたり、触ったり、見たり、匂ったり、味わったり、感じたりする機会を持つことは、とても重要です。視覚障害者が自立するには、コミュニケーションや日常生活、そして自由に動き回れるスキルなど、色々な面で完全に社会の一員となる必要があります。また現代テクノロジーを知ることも、視覚障害者が地域社会で自立する上で大切なことです。
視覚に障害のある子供の発達において、親の役割はとても重要です。親もパーフェクトではありませんから、ポジティブな姿勢が大切だとは言え、時にはそういう態度を取りづらいこともあります。しばしば自分の子供は一生自立・自活できないなどと思うこともあります。でもそのように感じるのは普通であり、現時点で重要なのは、巧みな指導です。親は気持ちを切り替え、何をどう行うかを知る必要があるのです。
健常児にとっても大切ですが、日常生活指導スキルは、視覚障害を持つ子供や大人が家庭で様々なことに対応するためにとても大切です。同年代の他の子供が学ぶように、子供であろうが若い時に視覚障害者となった大人であろうが、自分の身の回りの世話の仕方や周囲の状況に対応することができるよう学ぶ必要があります。視覚障害者に必要な日常生活スキルに含まれることとしては、自分の身の回りの世話する(顔や手を洗ったり、歯を磨いたり、シャワーを浴びたり、髪をとかしたり、爪を切ったりなど)、天候やTPOに合わせて服を選ぶ、自分の健康に良いこと・良いものを知り、薬の服用の仕方を知り、健康でいることの重要性を知る、自分で着替えをする、自分の持ち物を管理する(視覚障害者は自分のよく使うものが家や学校のどこにあるのか把握し、自分の持ち物を認識し、整理整頓する)、自分の衣服を管理する(ラベルを使う、たたむ、ハンガーに掛ける)、お金を扱えるようにする(硬貨やお札を見分けて、財布に整理できるようにする)、自分の名前を署名できるようにする、時間の管理をする、家の用事・仕事に参加する、などです。家庭での視覚障害者の自立は、これらの日常生活スキルによって実現されるのです。
目が見えないと、ある場所から別の場所へ安全に移動すること(空間を理解し、動き回ること)がとても困難です。視覚障害者が自信を持って一人で動き回るには、方向・移動のスキルが欠かせません。視覚障害児の指導者・教師は、子供の自立を促すために、特にこのスキルに注意を向ける必要があります。子供は色々な感覚を駆使して、目印になるものを見つけます。例えば音や匂いで場所を特定したりするのです。また特別なテクニックの使い方も教えるべきです。サーチテクニック(失くしたものや、落としたものを見つける)や、保護テクニック(一人で未知の状況の中を歩くときに用いる)などを使えるようにするべきなのです。視覚障害者は、これらの方向・移動のスキルを幼い時から、屋内から屋外へと一つひとつ身に付けるべきでしょう。
白い杖の使用は視覚障害者に自立をもたらしてくれます。しかし視覚障害者の若い世代は恥ずかしいという理由で、歩き回る時に白い杖を使いません。私も初めて白い杖を使った時、恥ずかしいと思ったことがあります。でも、より自由に簡単に動くことができると気付いて以来、一人で歩き回るときは必ず白い杖を使うようになりました。杖のおかげで、周りの人たちが私に気付いてくれ、すぐに手助けが必要か、尋ねてくれます。例えば道路を渡る時やバスを止める時、あるいはお店で、というようにです。
子供の成長・発達には社会経験もたいへん重要です。視覚障害児も遊び友達(健常児・障害児)を持ち、彼らとコミュニケーションを取る必要があります。視覚障害者が自立するもう一つの方法は、社会に受け入れられるためには周りの人との関わりが不可欠だということを知り、コミュニケーションスキルを伸ばすことです。これは家族や視覚障害者施設によって教えられるべきでしょう。視覚障害者は、社交的に相応しい方法で、会話に参加し、社会規範を理解し、自分の状況・ニーズを説明し、援助を求めたり、受け入れたり、あるいは快く断わったり、電子通信技術などを使ったりすることによって、成長・発達すべきでなのです。
結論。最近、世界中で多様性(人種・文化・障害など)の受け入れ、あるいは包括的教育について話されています。視覚障害者が地域社会や通常の学校に受け入れられるためには、まず彼らは上記のスキルを習得しなければなりません。彼らが家庭で日常生活のことに対応でき、自分で動き回ることができ、コミュニケーションスキルを持っていれば、自立できていると言えます。また視覚障害児を持つ親のことも忘れてはいけません。彼らもまた、子供を導くために、どうやって子供のスキルを発達させていくのかを教えてもらうべきなのです。
最後にこのエッセイコンクールの開催者に感謝の気持ちを表したいと思います。この寄稿を通じて、私たちを応援して下さることは喜ばしいことです。私の作品がこのオンキョーのコンクールの優秀作品の一つに選ばれたら幸いです。ありがとうございます。