海外の部 ABU地域 シニア・グループ 佳作
知識人とは?知識人といわれる人の基準とは?社会の中での知識人の役割とは?
レバノン ローラ・ダマー(47歳・女性) 

コミュニティとは、アイディア、習慣、概念の変化に向かって常に動いています。こういった活動は、知識人が目標としている、社会生活のあらゆるレベルや視点で人間の価値向上の為の知的な行動の力によって実現されます。知識人は哲学的、社会的、教育的、経済的理論に関するアイディアの提供をするエリート階層であるだけではありません。彼らは、人と社会について大きなビジョンを持ち、深い知識を用いて、ゼロから社会のあらゆるグループを動員、興味を起こさせ、社会の中での役割を与え、その分野の規模や重要性存在感の大小に関わらず、彼らの視点や意見を思うままに共有させます。

彼らが、社会、政治、経済、教育的生活のさまざまな側面についてだけでなく、現代的、広範な知的問題における本質的な知識を持っていることは良く知られています。
そして、これらは根本的であり、文化人にとって、この知識を彼らの社会の発展度や前述の見地からの減少を図る能力を得る目的に使用する事が重要です。社会と知的な問題はもちろん、ある時代の一定期間、世界的変化があらゆるレベルの生活に影響を与えることによって、コミュニティが経験する変化の兆候を観察する能力を保持する必要があります。

つまり、ある特定の分野について少しの知識を持ち合わせているすべての人が、その環境を変え、観察し、特徴付けをし、分析し、解決策を出し、アイディアを弁護し、変化を後押しするといったタイプの教育者の役割を演じる力があるわけではないということです。文化人の影響力は、人や社会の為に、知識、アイディア、洞察に満ちたビジョンを活用したいという信念から発生します。従って、特定の文化の単なる所有は、その文化人の個人資産であることを超えず、ただ、沢山ある彼の個性のうちの特徴に留まるだけなのです。知的な行動が、彼の所属する社会問題の証人であればあるほど、彼の持っている文化が、個人のプライバシーと彼の幅広い知識の理解の複合物を表し、公的な問題に関わり帰属意識を持てば持つほど、社会の中での知識人の役割が大きく明確に確立していきます。

知識人の役割や社会での重要性は、彼らが活躍する分野、提案する方法、志向性ではなく、むしろ放置されることで大きく広がってしまう社会的隔たりの溝を埋める為に芸術的、美的な社会に付加価値を与えるあらゆる仕事の重要性に対する彼らの強く、壊れる事のない信念にあるのです。

それゆえ、人を真の知識人とみなすかどうかは、知識量のみでなく、分析し、表現し、特定の知識人や芸術品を作り出す能力を所有しているかであり、より重要なことは、それに従事し、目標やビジョンをもって相互作用的に社会的な成果を伝えられるかどうかなのです。

つまり、教養のある人々は、失われた権利を求める社会的弱者を支える団体の為に働く人々であろうと、また反政府、反社会的思想を持つ政党を作ろうとしている政治活動家であろうと、または、社会的、政治的批判や、活動に筆を捧げるライターやジャーナリストであろうと、知的および社会的再生運動が継続的なサイクルであることを確固なものとする為行動します。

知識人が筆、舞台、または大きなスクリーンなどで、自身の異なる目標や背景を描いた自分の作品を提示する芸術家であろうと、時間のほぼすべてを学問に費やす思想家であろうと、社会や社会現象を評価することを目的としています。

そして、文化的行動に明確な効果があるかどうかにかかわらず、芸術的、知的運動は、文化的役割の強さと長期的永続化の砦となっています。つまり、芸術、思想、文学の世界は称賛されたことがないという事は、歴史が証言している紛れもない事実でありますが、依然として私達の生活に最も大きな影響を与えているのです。

古来と現代の歴史には、多大な影響を与えた先人の豊富な先例があるという事は良く知られた事実であり、政治的、社会的に大きな社会変化を起こした主な原動力でもあり、フランスでは、知識人、文化人が君主制に対して社会の正義と平等を求める最も重要革命を起こしたことはとても良く知られています。

しかし、こういった影響力は、西側社会に限ったことではなく、実際のところ、私達のアラブ社会の知識人もまた、多数のアラブ諸国で、強制的、植民地主義システムに対して、独立運動を導きました。

変化の種は、実現までに過酷な経験、たくさんの時間、努力、犠牲、苦しみを要することはおそらく事実であり、これらの知識人の努力がついには、期待通りの結果をもたらすのです。変化を起こす過程や、新しい基盤と概念の上に社会を構築する過程での、直接的な影響をもたらす知識人の役割は与えられたものではなく、長い時間をかけ継続的な執筆や地位を通し、社会に影響を与えるまで、長く困難な道のりを要する間接的な役割であるのかもしれません。

慣れた日常生活からの変化を恐れるさまざまな要素を持つ社会自体がすべての新しいアイディアや概念を拒絶します。知識人が挙げるアイディアに対する拒絶は、習慣、伝統、偏見、聖域に偏見を与える恐れや、一般的に変化への恐れから来る自然な反応です。すべての変化は、社会を通し、試行し、広く普及しているものと対照的に出現するアイディアを受け入れる過程を飛ばしては起こらないのです。

従って、知識人の役割とは、未来を予知し、不正を拒絶し、人類の価値を高めることはもちろん、意識を高め、不均衡を修正し、過去からの教訓を生かし、社会におけるすべての潜在的な変化への準備をすることです。

言い換えれば、知識人の役割とは、自分自身を超越し、変化に備え特殊から一般的な存在に変わる知的勇気を所有することであり、地位や、社会的態度、主張する為の知的、文学的、芸術的活動といったあらゆる手段を通すプロセスです。知識人は社会問題と直接的に関わらずに遠くで傍観する人ではなく、永続的な再生活動の不可欠な部分を果たしている人なのです。