海外の部 WBU-NAC地域 ジュニア・グループ 佳作
21世紀の点字
アメリカ     ジョシュ・アンドリュース(25歳・男性)
 点字の聖書が入っている箱を開いた時、興奮が私の体を駆け抜けました。クリスチャンである私にとって、最も聖なる書物の文字に触れることは、開拓者がアメリカ新大陸に向かっていた時に感じたであろう希望の興奮と同じように感じられました。かつて移民であった祖先たちに思いをはせながら、私は点字印刷(物)が点字の将来に大切だと理解するようになりました。点字ディスプレイは多くの障壁を取り除きつつありますが、発展途上国ではまだ点字印刷が唯一の手段であることが多いのです。
 デジタル時代になり、電子化された点字やオーディオやテキストにより、何百万と言う書物にアクセスできるようになりました。しかし、これらの媒体にも問題もあります。点字ディスプレイは一列ずつしか表示しないため、書式の詳細をつかむのが難しいのです。全盲の者にとっては、電子文字はスクリーンリーダーで読み上げなければいけなく、句読点以外の書式の詳細がわかりません。スクリーンリーダーからこれらの情報を得る手段はありますが、読む速度が遅くなってしまいます。オーディオブックを使用する際は、さらに別の問題が出てきます。
 記録文学として最も一般的に普及しているのがオーディオブックでしょう、これらは、本の劇的な個所を強調してくれますが、章や段落以外、書式や文字などの情報を伝えてはくれません。点字の本を作る際に使用される紙は大きいため、段落の書式などを感知するのが容易です。ですから点字印刷物で読む際は、その本がどんな体裁なのか知ることができます。さらに重要なことに、視覚障碍者たちは自分で文章を書く場合、書式を正しく設定する方法を具体例をもって学ぶことができます。
 文章を書くときに最も大切なことの一つに、書式設定(フォーマット化)があげられます。点字ディスプレイが点字の活用度を劇的に高めた一方、ディスプレイには限界もあり、より高度な書式の詳細を知ることはできません。電子版も活用する一方で、点字印刷の本の使用を継続しなければ、視覚障碍者たちに正しく書くことを教えるのも難しくなるでしょう。
 点字を読むことにより、学生たちは(私自身を含め)つづりの知識を深めたり、良く構築された文章について意識するようになるのです。国際社会の多くの人たちにとって、打ち出し点字をなくすことは識字の終焉をも意味するのです。
 アメリカ合衆国やその他の地域と違って発展途上の国では、障碍者たちは厳しい現実に直面しています。点字ディスプレイやコンピューター、さらには電気なども手に入らないことが多いのです。そんな彼らにとっては打ち出し点字のみが、外の世界にアクセスしそこから学ぶ唯一の手段なのです。もしこれらの手段が失われたなら、途上国の視覚障碍者たちは、識字のかすかな光をも失うことになります。国際的に発言する機会もなく、彼らの発言を反映したよりよい社会づくりも不可能になります。
 点字が克服しなければいけないことの一つとして、価格の問題があります。点字の聖書を購入しようとして調べた際、上質のハードカバーを買うには600ドルをゆうに越えると知り驚愕しました。おそらく、点字印刷機の購入費、メンテナンス費用やその紙代が理由でしょう。 私は国の図書サービスの貸付プログラムにより、点字の本を手に入れることができました。私用のため点字印刷機を買おうとした際には、資金を調達するのにチャリティ団体の支援に頼らざるを得ませんでした。点字が将来的に活用されるには、価格を下げないといけません。
 点字の価格を下げる手段が講じられないのなら、国際的に点字の使用頻度は低下するでしょう。点字印刷機と用紙の値段を下げることで、より多くの発展途上国も視覚障碍者たちに点字という解決法を提供できるでしょう。さらに点字ディスプレイの値段も下げることができたなら、世界の低所得者も現代技術の広い恩恵を受けることができるでしょう。
 点字印刷の利用を大いに強調しましたが、他の媒体の点字を利用すべきではないと主張したわけではありません。点字が将来もっと利用されるためには、あらゆる手段や媒体、方法が十分に模索されまた改善されねばなりません。先ほど述べた点字印刷の価格の問題により、デジタル点字はちょうどいいタイミングで、より多くの内容にアクセスするのを可能にしてくれました。しかし点字印刷の利点は多岐にわたるので、将来的にも大切だと思います。技術の発達のおかげで、点字の未来は視覚障碍者たちの未来を明るくしてくれるでしょう。