海外の部 WBU-NAC地域 ジュニア・グループ 優秀賞
理想世界での点字の未来
アメリカ     フアン・アヴィーラ(23歳・男性)
 昔々、マヌエルという名前の少年が、草は緑に茂り、昼間は太陽が降り注ぎ、夜は雨が地を濡らす平和な島に住んでいました。マヌエルは、10歳で失明し、その後盲学校に送られました。学校は、地球の軌道を回る宇宙ステーションのようで、遠くからも見つけることができました。その学校は「技術、点字、豊かな学習を学ぶ特別盲学校」(英語の頭文字を取ってBASKETBALL:バスケットボール)という名前で、LEDライトやチタン製の大きな文字と点字で学校名が刻まれていました。
 この学校では、視覚障害の学生がエキサイティングな人生を送るためのスキルを学びました。非常に貴重なスキルを学んだ後は、彼らは自分たちの目の障害のことなどを忘れてしまいました。生徒たちは宇宙から来た先生から、音波探知機や赤外線を使って、人や物を認識することを学びました。また、学生は点字の読み書きを学び、職場での成功を保証する確かな技術を学びました。
 学校は、地球上どこにでも着陸できるスペースシャトルの役割をはたしていたので、学生は、訪ねたい場所を探検したり、自分で動きまわれるスキルを学びました。通りの名前、停止サイン、信号機、バス停など、さまざまな標識は点字で表示してありました。また、いくつかのレストランには点字メニューがあり、会社のドアには点字表記がありました。さらに、自動販売機にも点字があり、スナックや飲み物が簡単に買えました。マヌエルと友人のボブとビルは、国によって点字標識の数が違うことを知りました。都市によっては点字標識が少ないので、全てに点字表記をつけるように望みました。
 宇宙ステーションには小型飛行機があって、モニターによって映し出される点字を使って、どこにでも移動できました。この飛行機は操作がとても簡単で、目的地を言うだけであとはコンピューターがやってくれました。それを使って、大都市や不便な田舎など、普段、視覚障害者が行けないような場所に行くことが出来たのです。
 その飛行機で3人は、サクラメント州立大学を訪問し、自動販売機の点字標識があまりないことがわかったので、すべてのボタンに点字のラベルを付けた後、自分たち自身への褒美としておいしい飲み物を購入しました。
 彼らは点字標識が義務付けられている、様々な場所をチェックするためにキャンパスを回りました。ビルは教室がある建物の多くに点字標識がないので、視覚障害者が二度と迷わないように、点字標識を貼りました。
 翌日、3人は大学構内でランチを食べていました。そして水飲み場を探すのが難しことに気付きました。マヌエルとボブが水飲み場に点字標識を貼っていると、レストランのマネージャーが猛烈な勢いで彼らに近づき、「誰に許可をもらって、私のレストランにいたずらしているんだ」と怒鳴りました。「いたずらでなく、目の見えない人たちが自分で水を飲むことができるようにしているだけです」とマヌエルは答えました。マヌエル、ボブとビルは礼儀正しく接しましたが、自分たちの行動に対する許可が必要だったのです。マネージャーは、「貼りなさい。あとで掃除の者にそのいやらしい点々を消させるから」と不満げに言いました。若者たちは悲しげにその場所を立ち去り、飛行機に戻りました。
 「どうしたらいいんだろう?」席に座るとビルが言いました。「わからないな。でも学校の事務所に連絡するべきだと思うな。」とマヌエルは答えました。「そうだね、点字協会は視覚障害者を大切にしているから」とボブが言いました。「違うよボブ!僕たちの学校のことを言っているんだ、すぐに連絡しよう」とマヌエルは言いました。学校の事務所に連絡した後、点字標識を消したのは間違いで、アメリカ障害法の違反であることをマヌエルは知りました。後に弁護士がこのケースを担当しました。マヌエル、ボブ、ビルの3人はこの経過を興味深く見守り、解決されるのを楽しみに待ちました。

 一週間後、マヌエルと彼の友人を弁護する弁護士がサクラメントに到着し、州の教育省に対し、点字を考慮していないという過失を訴えました。教育省は、点字標識の必要性の理解がなかったために、標識を貼っていなかったと、弁解しました。それに加え、彼らは視覚障害の学生が、大学の所有物に対していたずらをしていると思っていました。裁判官は学校側に好意的で、点字の標識を貼るのみでなく、点字を視覚障害だけでない全ての人にも指導すべきであるという判決を下しました。点字コードは外国語の一つとして、幼稚園から始まって大学、ビジネスマン、政府関係者、看板を作る人たち、そして全世界の人々が学ぶべきであると。
 裁判官はまた、点字は視覚障害者が学ぶための特別な道具というのではなく、常に印刷物に組み込まれるように、誰もが知っておくべきだと述べました。