海外の部 WBU-NAC地域 シニア・グループ 優秀賞
ナバホ点字コードの開発が私にとって大切な理由
アメリカ     キャロル・ビゲイ・グリーン(47歳・女性)
以下は、最近私が開発したナバホ点字コードが、個人的にだけでなく、世界中の点字ユーザーにとっていかに重要かということに焦点を当てた、架空のインタビューです。

インタビュアー:グリーンさん、最近、あなたが開発されたナバホ語の点字コードがナバホ教育委員会から承認されたと報告されました。このコードを開発された方法と理由を教えてください。

グリーン:2013年の12月に、私はロードアイランド州で開催された第一回「識字に触れる」会議に出席しました。そこでナバホ教育委員会の役員に、ナバホ点字コードが存在するかどうか、コードについて知っているか尋ねました。彼らは全く知りませんでした。その時からコードがあるのか、あるいは開発できるのかの研究を始めました。

昨年の夏、私はコードの開発をしてみようと決心しました。ナバホ族教育委員会の役員の方が、ライス大学で言語学の教授をしているロバート・エンゲルブレッテェン博士を紹介してくださいました。私たちはまず最初にフォーコーナ地区の専門家たちに、ナバホ点字コードが既に存在するかどうか確認しました。誰も知らないことがわかったので、コードの開発に着手しました。2015年、9月4日にアリゾナ州ウィンドウロックでのナバホ教育委員会で発表し、その翌月に承認されました。

私はコードを開発しました、なぜなら未だにナバホ語を学んでいるからです。私はナバホとのハーフで、祖父母はナバホ語を話します。私が1989年にフォーコーナー地区に引っ越してきた時、ノーザン・アリゾナ大学で正式にナバホ語を勉強し始めました。

今は会話が出来、基本的な概念を理解することができますが、動詞の変格活用を正確に学ぶ必要があります。私は点字リーダーとライターを使えるので、ナバホ語の習得に必要な効果的な点字コードが必要です。私はまた、ロゼッタストーンのナバホバージョンの点字ディスプレイを使用して楽しんでいます。

インタビュアー:コードを簡単に説明してください。なぜ、コードが英語の統一点字によるアクセント記号より有効と思われるのですか?

グリーン:ナバホ語は基本的なローマ字のアルファベットを使用します。使用されていないアルファベットは、f、p、q、r、u、vです。唯一の追加文字は / (斜線)でこれを表すのに点 1456を使用しています。ナバホ語では文法的な表現でアポストロフィを使用しないので、点 3を声門閉鎖音として使用しています。それに加え、母音は高、低または鼻音のいずれかです。高母音はスペイン語から借りました。また鼻音には点46、低母音にはローマ字を使用しています。このような数字、句読点、および入力形式のめやすとして点字の他の表記法を使用することができます。
私は、子供のストーリーをコードに直し、ナバホ教育委員会で読み上げました。それは大変読みやすく、読者は単語の発音をすばやく理解することが出来ます。
ナバホ語には、しばしば一行に高音と低音の二つの母音が見受けられます。また、母音によっては高音と鼻音のものもあります。統一英語点字コードのアクセントを使用すると、もっと混乱し、単語が長くなってしまいます。
このシンプルコード(連続インジケータ) でナバホ語が読みやすくなり、私にとっては大きな喜びとなりました。これをぜひ他の人たちと共有したいと切望しています。

インタビュアー:このコードの開発でだれが恩恵を受けると思いますか?

グリーン:私は点字ユーザーのすべての人がこのコードの開発の恩恵を受けることを期待しています。もちろん、点字を使うナバホの子供たちが、文字のない(口頭と聴覚だけの)教育だけでなく、(文字を使う)完全なナバホ・バイリンガルの教育を受けられることを希望します。また、私のようなナバホの大人たちが、地元の大学でナバホ語の指導を受けられるようになることに期待しています。そうしてナバホ語による物語を書くことにより、自分たちの言語を維持することに貢献することになります。ネイティブスピーカーではない私は、ナバホ語を学ぶことがいかに難しいかを知っています。ナバホ語は第二次世界大戦後から、有名なナバホ語コードの語りべの人たちのおかげで、世界的にスポットライトを浴びているため、多くの非ナバホ族の人々が、ナバホ語に興味を持っています。いまでは点字ユーザーが、簡略化されたコードのおかげで、難しいけれど、豊かで有益な言語を学べることができるのです。

インタビュアー:コードがナバホ教育委員会によって承認され、近々、北米点字局(BANA)とともに、世界の点字辞典(World Braille Usage)にも認められようとしていますが、今の計画を教えてください。

グリーン:私は、フォーコーナーズ地域内の教育者、リハビリに携わる人たち、点訳者と点字ユーザーたちに、コードを勧めたいと思っています。また、ナバホ語コースを提供している大学に情報提供することを希望しています。また、この結果を地域の会議で発表することを望んでいます。そして、コードが広くアリゾナ州、コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ内で使用されることを願っています。ナバホ語が点字のユーザーの生活を豊かにできるように、この知識の共有に遅延があってはなりません。私はまた、ナバホ語の有名な子どもの本を点訳して、本の共有ホームページ(www.bookshare.org)に載せる予定です。

インタビュアー:なぜ伝統的な口頭言語であるナバホ語を点字にすることが重要なのですか。

グリーン:ナバホ語は伝統的に書き言葉はありませんが、ナバホ語の指導や、サポートをするためには、印刷物を使っています。しかし新世紀を目前に、私たちのナバホ語は、生活言語として発展する難しさを抱えています。特に若者の間で話す者が少なくなり、バイリンガルの大人、さらに子供も減少しています。ナバホ族は幼稚園から12年生までナバホ語を習います。印刷物は、日常の指導書として使用されています。
 ですから、ナバホ族の点字ユーザーの教育を支援するために、ナバホ語の点字コードの開発が必要なのです。また、このコードは簡易であるため、視覚障害の学生を指導する教師が、学習資料をコードで書き表すことが容易です。それはまた、点字ユーザーにとってナバホ語を学ぶ際の喜びともなるでしょう。