海外の部 ABU地域 シニア・グループ 佳作
「点字は私の人生をどのように変えたか」
インド ウルミール・シャルマ(52歳・女性)
 「点字」は、フランスのルイ・ブライユというある偉大な視覚障害者が発明した六つの点による表記のことです。視覚障害者は、いずれの言語においても、点字で印刷された文献を、触覚によって読み書きすることができます。
 「変化」とは変わったということを意味します。変化は時間、状況、そしてできごとの結果として人間の人生に訪れるものです。
 「点字」は私の人生を大きく変化させました。
 実りのない人生が、点字の学習を通して、意味を持つようになり、
 夜遅くまで熱心に勉強することで豊富な知識の泉に出会い、
 人生に独立性が与えられ、
 私は自分、そして家族を支えられるようになりました
 わずか4歳で人生が真っ暗になった私は、6歳半のときに1年生に入学をさせてもらい、21日で点字を扱えるようになり、そしてクラスメートの点字学習を助けるようになりました。その後も私は読み書きのスピードを急速に上げ続けました。点字で問題用紙に答案を書き、第一部の試験に合格し、毎回クラスの監督者に指名してもらっていました。学校でトップの成績を取ったことも2回ありました。それと同時に、ラーマーヤナやギータといった教典、それからその他、さまざまな分野に関する文献をいずれもすべて点字で読み、知識の習得を継続的に行いました。レベルの高い学級においては、先輩が教えてくださった内容について点字で短いメモを取っていました。その結果、試験では良い点数を取っていました。銀行での仕事を得てからは、点字でメモを取りながら卒業課程の勉強に取り組み、卒業に必要なさまざまな学科に合格しました。わずか10歳のときにボロボロになった、ほとんどベージがはぎ取れたような社会学の本を写し取り、明確で正確な文法の点字版で88ページの本を新たに作り上げました。要した時間はわずか8日間で、非常に熱心に取り組み、これまでにない達成感を得たものです。低学年のとき以来、私は地区の点字エッセー・リーディング、および執筆コンテストで1位や2位をいただいてきました。8年生以降は、来賓であったギャニ・ザイル・シンさん、プラナブ・ムケルジーさん、ジャグプラヴェッシュ・チャンドラさん、その他の審査員を前にした歓迎スピーチの場で、点字原稿を作成し、読み上げました。その結果、奨励賞、佳作賞をいただきました。
 私の人生における大きな転機になったのは、1983年のことでした。これによって私はさらに向上の道にまい進することになったのみならず、その他の視覚障害者の皆さんのための新しい時代を築くことにもなりました。ここでも前面に立ったのが点字の認識ということでした。1983年、デリーの全インド視覚障害者会議で、インドで初めての点字速記が導入されたのです。
 上に述べた点字速記の最初のグループとして3カ月の訓練を受け、私は1分間に120単語のスピードで打てる点字速記機で口述筆記をし始めました。1分間にタイプする単語の数は45単語でした。私の仕事ぶりに満足した同組織は、私は「インド初の視覚障害速記者」の証書をくださいました。それからは、同組織と私自身の努力の成果によって、1984年には、私はデリーのパンジャブ国立銀行に「初の視覚障害速記者」として入行しました。少したってからは、パンジャブ国立銀行やその他の官公庁のオフィス以外でも、多数の視覚障害者が受け入れられるようになりました。 1994年、私はインド政府から、「優秀社員」の国家賞をいただきました。1996年には「リムカ人名録」に私の名前が掲載されました。「バラット・ヴィカラング・ブシャン」や「ニーラム・カンガ・シタション」といった賞をいただいたのも、この頃ですし、インド石油会社からはチーフ・ゲストとして迎え入れていただきました。またパンジャブ国立銀行のシニア幹部の皆さんからは栄誉、記念、祝賀のメッセージをいただきました。パンジャブ国立銀行での点字媒体を通した私の業務の成功を踏まえ、同銀行は大統領の「最高雇用者賞」も受けたのです。
 私がデリーのAICBの点字雑誌向けにパーキンス・ブレイラーで打った多くの記事は、その後に出版されました。
 今日でも、私はさまざまな点字雑誌を読み、味わうことによって、知識を増やし続けています。私の点字の詩も、銀行やその他の主催者によるさまざまなプログラムにおいて紹介され、これについてもいくつか賞をいただきました。私は、銀行での仕事を点字でメモを取ることで広げていっています。銀行連合の活動に関することも、幹部メンバーの一員として、点字で書き留めておいて処理します。
 私は息子と娘にも、点字を書いて小学校の勉強を教えました。今では、子どもたちは2人ともエンジニアとして働いています。
 私が今日成し遂げたこうした状態というもの、社会において私が受け取っている認知度というもの、私が自分自身に対して探し当てることのできた適所、こうしたものはすべてただ一つ、点字によるものですから、偉大な「ルイ・ブライユ」に、私は百万回でもお礼をしたいと思うほどに感謝しています。
 もう粗末な扱いはさせない、
 もう誰にも私を差別させない、
 平等さを平等に分かち合いたい、
 毎日自分の仕事の領域に関する能力を高めたい
 輝きを増す幸運の光を放ち続けながら、
 士気は高まっている、
 自信と喜びの世界はこれまでになく成熟してきている―
 運命の成し得る業というものは、実に不思議なものです。