

こういうものが欲しい、という世のニーズがあったわけではありません。この製品を生み出したのは、プライドと好奇心です。技術者が、己の理想とする音の表現にいかにたどり着くか。
開発の合言葉はただ一つ、「生きた音」。
目を閉じて、その音を聞いた時、それが奏でられているまさにその場に居合わせるかのような臨場感を生み出したい。その実現の過程で行き着いた、ひとつの形態がヘッドホンでした。耳を覆い、聴く人を純粋に音と向き合わせる。だからこそ実現できる体験がある。しかしそれは、常識の枠を超えた、ヘッドホンの表現の限界に挑む試みでした。