■海外部門 最優秀オーツキ賞
「点字が私の人生を変えた!!」 オーストラリア アマンダ・キム・アカット(15歳・学生)

 5歳の時、小さな浮き出た点を指で初めて触った感触を今でもはっきりと覚えています。あの点によって、素晴らしい本の世界が開けたのです。点字に自信がついた7歳のころから、何十冊もの点字の本を読み始めました。読書は楽しみだけでなく、知識欲を満足させてくれるのだと気づいたのでした。
 最初に読んだ本は触わる絵本でした。ほかの子供たちが絵本を読んでいる時も、一緒に読むことができ、仲間に溶け込むことができました。彼らは点字が対応していると知って、時には一緒に読んでくれたのです。特に、「くまのプーさん」は大好きで、プーさんと彼の仲間たちをいきいきと想像でき、クラスのみんなとの交流が一層深まりました。
 これまで最も感激したのは、幼い弟、トレントとの触れ合いでした。いろいろな話をしながら幼い彼をあやしてやりました。印刷物の上に点字が張り付けてある絵本を読んでやり、トレントは絵を見て喜んでいたのです。7年経った今も、彼は私が読んでいる本に強い関心を示し、手を点字の上に置き、あたかも点字を読んでいるかのように手を動かすのです。
 年齢とともに、子供向けの本から大人の本へと進んでいきましたが、読書は平均的な10代の女の子として成長する上で役立ちました。実は私もハリー・ポッターの大のファンなのです。ほかの人たちは、町の地域図書館から本を借りますが、私はブリスベーンにあるクインズランド点字著作物協会から点字の本を借りました。協会では、ファンタジックなものから古典まで、実にさまざまな点字の本を作っているのです。読書を通して、自分の実体験からほかの人の経験したものへと引き込まれていったのです。
 もし点字がなかったら、勉強するのにも大変だったと思います。すべてテープに録音したり、記憶しなければならなかったでしょう。しかし、私は会から教科書を借り、友達と同じ情報を手にしたのです。スキャナーや点字プリンターのお陰で、宿題や調査資料などを点字にできるようにもなりました。日本語も勉強していますが、日本語の点字表記法によって日本語を書くことができ、日本の盲学生と文通ができるのです。このように点字は、私の学習に大切な役割を果たしています。
 6年生の時でした。先生がクラスのみんなに点字表記法を知ってもらうため点字のアルファベット一覧表を掲示板に張りました。学期末のある日、文法のテストの試験を受けている間、前の女の子が、掲示板と見比べながら私の点字の答案用紙を見ているのです。彼女がカンニングしようとしていたことに、テストが終わるまで気づきませんでした。試験の後、彼女は「あなたの点字に、掲示板にないものがあったのはなぜ?」と尋ねてきました。2級英語点字を彼女は理解できなかったのでしょう。その時、点字はプライバシーを守ってくれるのだと気づいたのです。クラスメートや先生、家族や親せきの人たちも点字を分かりません。だから、点字で日記をつけてそのままにしておけるのです。
 「アマンダ、さっきの話をぜんぶ筆記したの?」と、ある日、友達が尋ねました。「ええ、どうして?」と答えますと、「それ、印刷できないかしら? 全部メモできなかったから」と言います。クラスメートは、私が点字でタイプしたほうが誰よりも詳しくてずっと早いというのです。
 8歳になったある日、オリンダ伯母さんと一緒に昼食にマクドナルドに行ったことがありました。コーラを飲んでいた伯母は急に私の指を取り、「これはなんと書いてあるの?」と尋ねました。コップの上を指でなぞると、点字があったのにはびっくりしました。それ以来、注意深く観察するようになり、マクドナルドだけでなく、銀行のATMやロックハンプトン植物園のさまざまな植物に付けられたラベルにも点字を見つけました。
 ある時、知人のフォードさんのところを家族と訪問しました。フォード家の子供がウノのカードを持ってきて誘いますが、ただ座ってゲームを見ているしかありません。その時新たな発想がわいたのです。カードに点字がついていればということです。母に頼んで、ブリスベーンにある王立視覚障害者財団に問い合わせてもらいました。すると、点字付きのウノのカードを販売しているばかりか、モノポリーやクロスワードゲーム、ほかにもいろいろと見つかりました。以来、家族や友達とゲームができ、みんなと一緒に楽しめるようになりました。周囲に頼らなくても一人でゲームができるということです。
 深く敬愛し尊敬している人がいます。それは点字を考案したルイ・ブライユです。彼の点字により、世界中の多くの視覚障害者が勉強する機会を与えられ、読書を享受しているのです。私には点字なしの生活はまったく考えられません。
 
(アマンダ・キム・アカットさん プロフィール)
Amanda kym Acutt アマンダ・キム・アカット
ロックハンプトン女子中学校 所属。 
15歳

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