■海外の部 ABU地域 佳作(ジュニア・グループ) 「点字と音声機器」 シリア ラナ・アルカドラ(22歳・女性) |
私の運命は1985年に始まりました。私はなにも見えない状態で生まれてきました。6歳になったとき、盲学校に入りました。盲学校は私の住む地域に1校しかなく、幸いにも私の家の近くだったのです。 友達のひとりが紙を持ってきて「これはなんだと思う?」と尋ねました。「紙だよ」と答えました。「触って注意深く観察してごらん」と彼がいうので、「まるで小さな米粒がまき散らされているみたいだ」と付け加えました。彼は笑って「これは点字というものが書かれた紙だよ。点字はルイ・ブライユによって視覚障害者の教育のために発案されたんだよ」と言いました。私はそれを聞いて驚き、勉強したい気持ちがわいてきました。信じられないかもしれませんが、私はたった1カ月で点字の読み書きを習得したのです。そして、点字は学問や専門知識を得るためと、外の世界とやりとりをする第1の手段になるであろうと確信したのです。このとき点字と結ばれていると実感ができたのです。 先生の浮き上がった点についての話は、とても驚くべき内容でした。「この六つの点であなた方は世界中のどんな言語を読むことも書くこともできるのです」。私は「なんとすばらしい物なんだろう」とつぶやきました。 私はルイ・ブライユの人生を描いた本を読んで、「不便な状態が利益に導くことができる」ということわざを思い出しました。彼の失明は多くの盲人にとっての幸福の源となったということです。つまり、彼の失明が点字の発明の動機となり、今、この六つの点は、指先を使っての盲人を指導するのに完ぺきと言ってよいほどの手段となっています。点字は、あらゆる言語で使われている文字を包含することができます。さらに、母音と略字を含むことができます。ときどき私は点字で書かれた本を読むとき、「もしルイ・ブライユが視覚障害者にならなかったらどうなっていただろうか? 才能ある他の人が似たようなルールを作るにしても、それはおそらく別の時代になっているだろう」と思うのです。 今、役に立つ音声機器や他の技術からの利益があっても私は言いたいのです。「視覚障害者は、点字によって現在のどんな科学の世界や知識ともコミュニケーションをとることができる」と。点字はたくさんお金がかかるし、多大な労力が必要ですが、今なお最上の物であり、私にとってとても大切な物です。その理由は、 1.点字を書いたり読んだりしていると、特別な感情を持つと思います。点字は考えをはっきりさせる一番優しいコミュニケーション手段です。 2.点字を使っている間、上の空になりません。他の手段を使う時は退屈だなあという気持ちになり、居眠りさえしてしまいます。 3.点字で書いたものを読むことは、修正と読み直しや暗記に適しています。 4.点字はどんな場所でもどんな時でも使えます。反対に、他の手段はそれを使うための準備や電気のような資源が必要です。 5.すべての教育手段の恵みを点字によって広く伝えることができます。私は点字とともに成長し発展してきたと感じています。点字は人格の一部となり、点字なしで生きていくことはできません。 6.私は点字の意義を確信しています。点字を近代化するために次のことを提案します。 A 就学前の子供から学齢期を逃してしまった視覚障害者、とくに学校から遠く離れた田舎に住んでいる女性たちに点字を啓発し、広く広めます。それに加えて、点字の重要性を周知するため、私は可能な限り多くの人に点字を教えることに助力します。 B 今後の点字の発展と点字の継続のための計画や、お互いの経験を交換するための国際会議や点字を学ぶための研修会を私の住む国全体で行う準備をします。 C 点字の重要性を広めるため、活字、音声、視覚関係の各メディアに焦点を当て、点字の啓発と各国で点字が公式な物として認められるよう努力をします。 D 月刊、週刊、日刊の点字の雑誌や新聞を印刷します。高い技術のおかげで、どんな時もどんなに分量が多くても、良質の印刷ができます。 E これらの啓発には莫大(ばくだい)な費用がかかります。政府は適切に経済的あるいは視覚障害者の支援をするために設立された援助組織を使うといった形で、点字の啓発に参加し援助してください。 (終わりに) 私の申し上げたことを集約すると、私は点字とかかわっていることを完全に楽しんでいるということです。 |