■海外の部 ABU地域 優秀賞(ジュニア・グループ) 「視覚障害者の目から見た世界平和」 レバノン カリン・サリー・キワン(24 歳・女性) |
戦争、破壊、荒廃、暗闇…、これが今日の私たちの世界です。人々は、悲劇や悲しみばかりを見ているのに、見せかけだけの平和の哲学についての演説しか聴いていないのです。今視覚障害を持つ女性として、愛と希望のわずかな光を集めて、国家間の平和のための輝かしい計画を作りたいと考えています。世界の指導者たちは聴いてくれるでしょうか。 今日の私たちの世界は、危機にあふれています。たとえば、中東地域は板挟みのだまし合い、市民紛争、イスラエル問題、それに加えて、アフリカの国々はお互いを押しつぶし合っています。また、土地を荒廃させている戦争は、合衆国とロシア共和国との間の境界線を示しているし、イランと多くの西側の国々との間には利害の衝突があります。そして忘れてはならないのは、朝鮮半島での北と南の対立です。 今や平和は、目的もなく発砲される銃弾や科学兵器ガスで窒息死させられないように逃げまどっている傷ついた鳥のようなものです。平和が力を取り戻すには、希望と安全、愛を与えられなければなりません。それが世界のすべての人々に平等をもたらす基本的な援助になるのです。各指導者が世界を見て、彼の前にある一つ一つの小さな事がらを直視する必要があります。つまり、「すべての人が平等ではないのではないか?」と自問することです。私たちは皆、兄弟であるはずです。ヨーロッパ人、アメリカ人、アフリカ人、アジア人の違いとはなにかを彼らが自身に問いかけることを含めた計画を通して、平和が達成されるのです。「世迷(よま)い言を言っている」と非難しないで下さい。なぜなら、私たちすべての人間は自由で平等に生まれてきたからです。指導者たちがこの原理に基づき、納得したとき、私たちはこの計画の現実的な部分に入るのです。 指導者たちにとっては彼らの権力と名声を取り去ることは嫌がるかもしれませんが、人類にはいっさいの「違い」はないのです。丸いテーブルにつき、握手をし、対話をはじめます。その場では、ひとりひとりが思いやりに満ちた言葉を話すのが必要です。見せかけの強さを取り除き、平和と愛を保ち続けるにはどうしたら良いかについて話し、お互いに意見と懸念について話します。そして、この話し合いはお互いに和解し、心から憎しみが取り除かれるまで続けられることが求められます。苦しんでいる国家の指導者たちは、戦争により日々多くの人が殺され傷つけられているということを考慮しなければなりません。戦争の犠牲者は彼らの一生を通して突き刺すような永遠の社会的不利を被っている人々であることも忘れてはなりません。 毎日多くの母親たちが戦争で死んだ子供たちのことを悲しんでいます。子供たちはなんの罪もなく、鉛筆と本を持って学校へ行き、校内のわき水を飲んでいただけなのです。彼らの血は、母親たちの戦地の子供たちに宛てて書いた手紙のインクと涙との混ざったものです。その手紙は、戦場で戦っている軍隊の兵士への心の底からの愛情をしたためた哀歌となりました。しかしその彼女の所にも爆弾は落とされます。 対話を通して、私たちはこの計画の第2段階に進むことができるのです。だからもし私たちが人類の兄弟であるならば、なぜ私たちは、いつも人々に悲鳴をあげさせ血を流させる凶暴な兵器を使うのでしょうか。確かに、兵器を捨てるのは困難です。ほかに交渉するすべをもたない、大変な仕事です。国家を治める指導者たちには難しいことですが、平和は破壊的な兵器と権力を取り除かなければ維持されません。大国が彼らの致命的な兵器を破壊し、彼らの征服と破壊的なプロジェクトを捨て去るとき、人々はそれまで兵器で武装していたリーダーの目をじっと見つめ、親しみと愛情を持って挨拶(あいさつ)を交わすことができるのです。 この計画を達成するのは難しくて長い時間がかかりますが、若者がまず書物の下から兵器を取り去ることです。そして、勉強するための席と大学のホールを確保し、論理的で説得力のある方法によって自分たちの思いや苦しみの現実を伝える人々に善意と熱心さがあれば、平和は実現します。 戦争と兵器のない世界、国境や柵やバリケードを取り除いた世界、破壊のもとである長きにわたって行われた戦争によって破壊されたものを大急ぎで修理する国々のリーダーたちを想像して下さい。そのような世界では、産業や農業・貿易が栄え、社会のあるいは人為的な負担はなくなります。たったこれだけのことで世界は平和に満ちた華やかな庭になります。喜びにあふれた人々は支配的で高慢さがなくなったリーダーと出会います。 私はリーダーたちに、彼らの地域で平和について考えようとすることを、心から願います。この世界の社会的弱者の多くは、理不尽にも、今なお戦争の恐怖の中に生きているからです。 国のリーダーたちに訴えます。恐れることなく眠り、次の日の朝を迎えることと、ずっと続く戦争が原因で障害を負ってしまう人の数が減ることを切に願います。 国のリーダーたちに訴えます。毎日毎日たくさんの人々を破壊し殺す兵器を発明するよりも、無学と字の読み書きができない社会の底上げのためのプロジェクトについて考える努力をしてください。生活を楽にする機械の発明に尽力してください。巨大な軍隊にたくさんの予算を費やすよりも、医療の向上と命にかかわる病に対する薬の研究をしている科学者たちを援助してください。 国家のリーダーたちに訴えます。世界にたくさんいる飢餓で苦しみ、病に苦しみ、貧困にあえぎ、公害で苦しんでいる人々を急いで救い出してくださいませんか。 世界のリーダーたちは平和の達成のためにすぐに計画に着手して下さい。世界を見る恵みを奪われた人々の権利として、このような平和の達成を訴えます。 |