■海外の部 WBU−AP地域 優秀賞
(シニア・グループ)
「点字は幸運への鍵」  マレーシア チュ・キン・ユン(39 歳 ・男性)

  私は小さいときから点字で育ちました。 点字の読み書きをクアラルンプール小学校1年生の時から習い始めました。
  パーキンス点字タイプライターを教えてくれた最初の先生は、クドー・ベルーアン(熊先生)でした。彼女をクドー・ベルーアンと呼ぶのは、非常にどう猛で、教えるときにはいつも怒っていたからです。彼女はしょっちゅう、木のドアでも叩くように、私の頭を叩きました。「ばかね!」。私の頭を殴るときは、いつもこう叫んだものでした。
  あぁ!  頭が痛い!
  誰がばかですって? 本当は、クドー・ベルーアンが愚かなのです! 彼女は私たちの頭が木でできているのではないことに気がついていたでしょうか? 頭を殴られるたびに、教わった内容が頭に入らなくなりました。日々、私は点字の勉強中、泣いて時間を無駄にしました。そのせいで、あまり身につきませんでした! 私は野獣のようにどう猛な先生は大嫌いです!
  幸い、シクドュ・ムーリ先生に替わることになりました。彼女は、やさしくて、辛抱強く、献身的に教えてくれました。「点字の勉強は難しくありませんよ。点字の技術は幸運を持ってきてくれます!」。点字の読み書きを教えるとき、彼女はよくそんなふうに、勇気づける言葉を掛けてくれました。
  ほどなく、私は点字をマスターすることに成功しました。私はパーキンスタイプライターを使うことができました。点字の本を読むのも得意でした。点字のアルファベットも混乱しなくなりました。プラス、マイナス、時間、分子、等号などの数学の記号も覚えました。
  点字をマスターすると、私の幸運の星が輝きを増し始めました。晴眼の子供たちと一緒に統合プログラムに参加することができました。数学、マレー語、英語、歌など、図工以外のいろいろな科目を学ぶことができました。
  点字が私に知識の扉を開いてくれたのでとても幸せでした。点字なしでは、おそらく学校に通う機会を得られなかったでしょう。点字は私を無学から救ってくれたのです。けれども、私は試験で首席を取ることはできませんでした。それでも、クラスの最下位になることもありませんでした。少なくとも常に20番目から40番目の間でした。私の先生は、私の成績に満足していました。
  点字図書を読むほかにも、ラジオの教育番組も聴きました。プログラムは異なる年齢層のいろいろな面白い話題があり、私の知識を深めるのに役立ちました。私のお気に入りのプログラムのひとつは、マンダリン・コースでした。学校では学べない貴重な体験をしました。
  中等教育に進むと、ラジオと音声図書はますます重要になりました。私が必要としていた本は点字でしたが、参考書と読み物は、カセットでしか手に入りませんでした。雑誌や新聞記事の引用などです。それらは非常に有効な知識源です。重要な事項については点字でメモをとりました。このようにして、音声情報は私の成長と学業の成功に貢献しつづけました。その証拠に私は、マレーシア教育証書(SPM)で2級を得ました。私はこの結果が、予測よりもよかったので非常に満足しました。
  点字は私の学校での進歩だけに貢献したわけではありません。実際、私に恩恵を与え続けてくれました。2005年に、マレーシア盲人協会(MAB)は、毎年1月4日に行われるルイ・ブライユ・デーにちなんで、点字作文コンテストを主催しました。いくつかのカテゴリーが盲人参加者に提供されました。私は詩作部門を選びました。私は「Jasa Braille」という標題の作品で応募し1等賞をとりました。私の点字による幸運は続いています!
  私は、世界中の盲人に役立っている点字システムの発明者、ルイ・ブライユの貢献に心から感謝しています。
  技術の進歩により、点字もまた、印象深い進化を遂げています。今日、点字素材を非常に高速に印刷できる道具が出現しています。また、点字表示のできるコンピューターもあり、視覚障害者は日々の仕事に使いこなしています。私は点字ディスプレーは持っていませんが、IT機器を楽しむことから除外されてはいません。MABの支援により、私自身のパソコンを持つこともできました。
  私のコンピューターは、音声シンセサイザーを内蔵しており、センターが受け取ったメッセージをすべて読むことができます。これで、私はOutlook Expressの助けをかりて電子メールを読み、Internet Explorerを用いていろいろなウェブサイトを訪れています。ラジオを聴いたり、Windows Mediaプレーヤーを用いて音声図書を読み、他のプログラムにアクセスすることができます。
  私は、インターネットの世界にアクセスできるので非常に幸せです。多くの人々と交流でき、同時に経験と知識を深めることができます。そのうえ、通信する能力は、誰にとっても強みで、Skype(インターネット電話プログラム)によって、友人と情報交換して、ドバイのような他の国から新しい人々に出会うための扉を大きく開いてくれました。
  点字は私の忠実な友でした。私の友人の何人かは、私の聴力障害のため、点字ディスプレーで私と情報交換を楽しめます。彼らは、指点字として知られている技術を使用します。この技術は、パーキンス点字タイプライターに基づいています。正確に指で押せば、私にはあなたが使っている点字コードがわかります。やり方は簡単です。
  点字は様々な点で本当に日常生活を豊かにします。それは学業の面で大変役に立ちました。音楽や作文などの創造的な科目では、それぞれ大変有益で本当に助かりました。音声機器は常に補足して私をサポートしてくれますが、点字は人生を通して、常に忠実な友になっています。

このページは音声読み上げソフトに対応するため配慮していますが、
本来の読み方とは異なることがありますので、ご了承ください。


戻る