海外の部 ABU地域 シニア・グループ 佳作
「バードウニはイエメン出身の偉大な詩人である」
イエメン モハメッド・アブド・アジラン(28歳・男性)
 視覚障害者であったバードウニはイエメン出身の偉大な詩人である。
 作家および詩人であったアブドール・アジズ・アル・マカレ博士は、バードウニの詩集を紹介のさいに、「視覚障害者であったバードウニはイエメン出身の偉大な詩人である」と述べました。詩人バードウニは、天然痘を患って視覚を失い、視覚障害者として一生を送りました。彼の優れた詩は、研究者たちを魅了し、バードウニ技法およびバードウニ派を生み出しました。
 詩人であり教授でもあったアブドーラ・サレー・ハッサン・アルシャハフ・バードウニ氏は、ダマール州で生まれ、前世期の後半にイエメンを支配していたイマム・ヤハヤ・ハミッドを追放しようとする反乱勢力に加わりました。情熱的な詩を持って革命に参加したバードウニは、1948年、ハミッドによって牢獄生活を送ることになりました。 アブドーラ・バードウニ氏は、詩人であり、また教師、評論家、博学な作家でもありました。
 彼の最重要作品を挙げると
「みどりの日への旅行」「イエメン共和国」「母バルキスの眼」「イエメンの詩の旅――古代から現代」「イエメンの問題」
 最も重要な賞は
「第四回ジェラッシュ祭にてヨルダン賞」「イラクのモスルにてアブ・タマーム祭のアデン芸術文化記章」「サナー芸術文化記章」「国際連合が、バードウニ氏の業績をたたえて銀貨を発行」
 バードウニ氏の出版された詩集は以下の10本の詩集で
「バルケスの土地から」「明日の街」「母バルキスの眼」「みどりの日への旅行」「ノスタルジア、その他のオブジェクトたち――鏡の夜の顔」「時間の質」「埃(ほこり)の結婚式の翻訳」「RUAGランプ」「時代への返答――ザイド・アルハキムへの戻り」「暁への道」
です。
 彼の詩のテーマと特徴では、彼の詩は、哲学者ファビルに影響を受け、民衆のロマンチックな魂にあふれ、イエメンの政治状態などをテーマとしています。悲しみ、称賛、ロマンスなどアラブ語の詩に見られる古いテーマも取り上げています。
 アブドーラ・バードウニ氏は、ロマンスと現実主義をかけ合わせたところが画期的だといわれています。それらを、精神と音楽で生き生きと歌い上げました。彼の深い洞察力と想像力は、知識人を魅了しました。また政治的なメッセージも取り入れ、権力、政党、社会などをも皮肉な評論として表現しています。アバシッド時代のアラブの詩人であるアブ・タマームと対比されます。
「私がサナーについて話したことは、おお、お父さま、恋するものは結核と疥癬でも美しく」
 また、オペラのオープニングラインにも取り上げられています。「暁時に目を覚まし、歌を歌って目覚めたい。何が起こったか知っているか? おお太陽よ。我々は、暁が隠れている間に暗闇を征服したのだ」
 バードウニ氏の人生から学んだこと
 1.アブドーラ・バードウニ氏は、部族によって支配されている田舎で幼年時代を過ごしたが、そこでは視覚障害者は役立たずとみなされていた。
 2.当時の教育は、コーランの勉強、簡単な計算法、アラビア語だけでした。
 3.統治者は、自分たちを賛美するように要請したため、それに従ったが、働き者の民への思いは持ち続けていました。
 4.彼は強い意志と決断力を持ち、勤勉でした。しかし、根気と忍耐はありませんでした。飽きるということを知りませんでした。
 5.彼は詩のスタイルを知るだけでなく、新しく、革新的で創造的な詩を書きました。それゆえ、イエメンおよび湾岸諸国の詩に強い影響を及ぼしました。
 6.詩人アブドーラ・バードウニは、視覚障害者として苦労しましたが、優秀で創造的でした。
 7.彼が亡くなり、私たちの世を去ったとき、イエメンの視覚障害者が空に高々と翻る旗を無くしたように感じたことを知りませんでした。イエメンの視覚障害者は、彼の死を嘆く代わりに、イエメン産のコーヒーの木へ集まりました。彼はことわざや伝承を使って、権力や専制政治に影響を及ぼしました。
 最後になりますが、バードウニは素晴らしい詩人であり、多くの分野で活躍しました。彼は、創造性と奮闘のよいお手本といわれています。彼のおかげで、世間の人は視覚障害者の能力を尊敬し称賛するようになりました。