海外の部 ABU地域 シニア・グループ 佳作
「社会や国家の多様性を紛争ではなく、発展と友好の土台に」
トルクメニスタン アリコバ・グーバンビケ(48歳・女性)
 全てのものは部分から成りたっており、全てのものに構造があります。共同体と呼ばれる社会もまた多くの部分、少数派を含めたさまざまなグループの人々から成り立っています。社会の構造は多くの民族や、さまざまな団体から成り立っています。グループごとに独特の思想や特徴を持っています。個人は社会で自分の役割を果たし、自分に合った生活を送り、人権を有し、社会への義務を遂行しています。
 社会における重要な役割は、国民的特徴を持つグループによって担われています。国民性は、人々の愛国心や民族への忠誠心に影響をうけます。現在世界では2000以上の民族が存在するといわれています。
 民族という言葉の共通定義はありません。しかし、領土、母国語、文化、伝統、類似した社会経済的生活を共有し領土を保有する人たちが、一般に民族と言われます。
 2000を越える民族が存在するにもかかわらず、その中で領土を保有しているのはわずかです。
 世界には200の国家があります。つまり、多くの場合一つの国にはさまざまな民族の人々から成り立っている、多くの国から来た人々が一つの国で暮らしているということになります。その国の社会構造のなかで、民族ごとに分離されています。
 一国の領土にさまざまな民族や国々の人たちが住んでいるなら、その中で一致を得ることは大変難しく、その多様な人たちの間で一つの国家として機能するために常識を作り上げることも困難を極めるということになります。例えば、一つの国に住む多民族グループの中で争いがよく起きます。したがって多民族国家にとって、多民族間の関係は国家政策として最優先課題になります。その政策の主な目的は、その国に住むさまざまな民族間の利益を調整することです。国家政策を見てみれば、ある民族を優先し、他の民族の権利を制限したり威厳を侵害すれば、すでに疲弊している民族関係をさらにこじらせ、問題解決をより困難にし、民族間に緊張や戦争状態をもたらすことが明らかです。
 例えば、ソビエト連邦には以前は15の共和国がありました。その全ては多民族国家でした。ソビエト政府の国家政策が長年にわたり不手際に行われたため、各地で1980年代にあらゆる民族紛争が起こる原因となりました。86年にはカザフスタンのアラマタ市でロシア人とカザフ人の間の紛争が、87年にはアゼルバイジャンでアルメニア人とアゼルバイジャン人との間に紛争が、88年にはグルジアの領土でグルジア人とアブカジア人との間に紛争が、89年にはウズベキスタンでウスベク人とトルコ人の間に紛争が起こりました。これらの紛争はやがて醜い戦争となり、女子供、老人を含めた、たくさんの人々が死にました。紛争の主な原因は領土問題でした。
 他民族環境の中に住む人々の間に友好的な関係を保つ条件の一つは、民族関係に対する前向きな文化です。その文化の基本となるのは全ての民族への平等な権利と利益を約束すること、互いへの尊敬です。
 他の民族より自分の民族や文化や伝統を愛するのは人間の性(さが)です。しかし一方が他者の文化や伝統に対する侮蔑を明らかに示すとするなら、それは国粋主義になってしまいます。
 結論としては、全ての国において、また民族間において正しい政策を行うことが肝要です。前述のような紛争を避けるためには、正しい政策を行い多民族国家の平和を保つ必要があります。トルクメニスタンのことわざに、「お互いを支えあえば神もまたあなたを支える」というのがあります。民族間の関係を広げ経済的つながりを強化すれば、将来の発展は確実なものとなります。
 民族間の友好を促し国を発展させるには、これらの国々と地域で正しい政策を行うことが必要なのです。社会や国家の多様性が紛争の原因ではなく、発展と友好、兄弟愛、また連合の土台になるのです。