海外の部 EBU地域 ジュニア・グループ 佳作
「点字と生きる」
スロバキア  ヤロスラフ・ボホヴィッチ(23歳・男性)
  私は幼い頃、小学校で私と同じ視覚障害者の子供たちと一緒に点字の読み書きを習いました。
 私は視覚障害者ですので、点字は生涯私と一緒です。どこへ行っても点字を使っています。ただ、点字を見つけられないところももちろんあって、そういう場所では、方向が分からなかったり、誰かに助けを借りなければいけないこともあります。
 私は点字の読み書きを競う大会に数多く参加しました。優秀な成績を収めたこともあります。
 点字は日常的に使います。点字が好きなので、家の中だけでなく、よく行く場所でもあらゆるものに点字ラベルをつけることにしました。家にあるものには全て点字ラベルをつけて、それが何なのか分かるようにしています。音楽カセット、CD、それに部屋の名前や電気製品にまでついています。服は、棚の表示を頼りに決まった場所にしまいます(服の色や種類を書いたラベルをつけているのです)。ネックレスにもイニシャルの「J」を点字にしたプレートがついています。
 点字のラベルがないと本当に困るものもあります。薬などです。こういうものは点字ラベルがついていなければすぐに貼ります。
 私のアシスタントもこの「小さな点」がとても気に入って、住み慣れた自分の家でなくても私一人で問題なく過ごせるように、アシスタントの家の全てのものに点字ラベルを貼ってくれました。ネコ用の器にさえ点字でネコの名前が書いてあります。
 しかもアシスタントは自分の名前を点字にして入れ墨までしているのですから、ほとんどもう点字のとりこと言ってもいいくらいです。やれやれ!
 私たち二人が「小さな点」を読まない日は一日たりともありません。
 点字ライターも毎日使い、この「魔法の小さな白い点」のラベルを次はどこに貼ろうかと考えます。友人たちが家に来るとラベルに何と書いてあるのか当てようとするのですが、それがおかしくて皆でよく笑い合います。
 友人の子供たちは、まだペンや鉛筆の使い方さえほとんど覚えていないのに、自分の名前は点字で書けます。
 私たちは晴眼者を対象とした点字コンテストも計画しています。入賞者に贈る賞状は点字で書こうか墨字で書こうか悩んでいます。
 それから点字愛好者のためのウェブサイトも作ろうと考えています。
 でも「良いものというのは多くはない」もので、点字が使われていない場所はたくさんあります。
 視覚障害者である私が、レストランに入って食事やドリンクのメニューを一人で静かに見て、忙しい店員を患わすことなく注文できたらいいなと思います。
 また、よく公共交通機関を利用し盲導犬とともにバンスカ・ビストリカへ行きますが、そのときもバスの時刻表が読めたらいいなと思います。
 まあ、確かに、そんなことは無理だと考える人はいるでしょう。でも一方で、その反対に考え、それを実現させようと思う人もいるでしょう。でも現実は…。
 点字で道案内があればとてもありがたいです。そうすれば記念碑や店や図書館など、自分が行きたい場所までの行き方が分かります。
 画廊で働き、絵画や彫刻など、さまざまな芸術作品のことを訪れた人々に案内するのが私が抱いている夢の一つです。どうすればいいか、いろいろと考えました。案内する作品の解説を記憶すればいいのです。そして画廊の作品の説明や題名には点字表記を付けて、それをたどって案内できるようにすればいいのです。
 私たち視覚障害者は、誰一人として点字のない生活を想像できません。
 何か探し物をしているときに、ふいにあの小さな点が指先に触れたときの気持ちは想像できないでしょう。私たちは点を読んで初めて自分が探していた物がそこにあったと分かるのです。