海外の部 ABU地域 シニア・グループ 佳作
「視覚障害者のコミュニティーは包括的な社会と相反しない」
トルクメニスタン メルダン・ソユーノフ(36歳・男性)
 視覚障害者のコミュニティーが包括的社会に対するものかという問いに答える前に、視覚障害者社会と包括的社会という言葉をどのように私たちが理解しているかを考えてみましょう。国際視覚障害者運動は視覚障害者組織を以下のように定義しています。
 視覚障害者組織とは、目の不自由な人や視力障害のある多数のメンバーのいる団体です。組織には、目の不自由な人及び目が一部不自由な人で構成される運営グループがあり、定期的に全ての会員によって選出されます。
 そのような公共の組織の主な目的は、会員の権利や利益の保護、社会復帰、仕事、文化、スポーツに関与し、社会的保護、社会的活動を促進することです。これらの目標達成のために、地域社会は以下の機能を担います。
 第一に、視覚障害者の障害の程度を医学的に特定します。第二にグループに分け(ソビエト障害区分)、公共組織の会員になるよう奨励します。会員資格の記録の維持、リハビリテーションプログラムの作成、生産・経済活動の主催、生産教育、職業訓練を行います。倫理、文化、美学的教育を行い、法的意識向上を図り、会員に運動やスポーツをさせる活動をします。
 視覚障害者のコミュニティーの主唱者は、高い目標を達成するために闘っていきたいという理想を持っていました。社会的に統合することを求め、市民全員全体の運命に対する公共の責任という新しい概念を提唱しました。教育は権利であり、目の不自由な人にも適用されるものであり、慈善で贈られるものではありません。目の不自由な人は再編をし、哀れみの対象としてではなく、能力とその器をもった人として扱われなければなりません。 組織の主な目的は、視覚障害者を守り、視覚障害者の利益を促進することです。組織の究極の目標は、目の不自由な人を社会的や政治的な圧迫から解放し、社会に統合することです。これは、視覚障害者も他の市民と同じ権利や特権、責任を持っているということです。決して視覚障害によって制約の対象となるものではありません。
 包括的な社会、インクルーシブな社会とは何でしょうか?包括的社会の基本は、差別を排除するイデオロギー、全ての人を平等に扱い、障害のある人のために特別な状態をつくりだし、特別なニーズに応えていくことです。
 従って、視覚障害者のコミュニティーは包括的社会に相対するものではありえません。UNESCOや OSCE、その他の国際機関は、学校制度整備において包括的アプローチを優先しています。障害のある市民が質の高い教育を受け、社会的に統合していくことは持続可能な社会をつくるために大切な要素であるからです。包括的学校における教育によって、子供は人権について実践的な知識を学び、ひいては差別が減ってゆきます。子供は互いにコミュニケーションをし、いかなる違いがあろうとも、その違いを認め、お互いを尊重することを学ぶからです。
さて、ここで社会の中で弱い立場の人々を支援する政府の取り組みについて述べます。2008年9月、グルバングル・ベルディムハメドフ大統領のイニシアチブにより、我が国は国連障害者権利条約に調印しました。そして、2010年9月に条約が批准されました。これは、政府が障害のある人を大事に思い、彼らの権利や尊厳を尊重している証拠である重要な行動です。
 視聴覚障害者協会は、視覚障害者も包含した社会をつくろうと素晴らしい仕事をしています。
 私の視覚障害者としての経験と意見に基づき、完全な包括的社会とはどのような状態なのかを示す具体例を以下にあげます。

 杖を使っている人のためには
1.十分の席、そのうちのいくつかは、視覚障害者のために特別に設計された席
2.床が滑りにくい
3.手すりがある

 視力障害のある人のためには
1.大きなフォント
2.はっきり対照的なドア、壁、等
3.全ての情報が電子メディア上に入っている
4.映画館での音声描写
5.点字及び電子メディアで情報が入手できる
6.黄色または白のラインが描かれた階段
7.自由な通行
8.道路や交差点にスピード・バンプがある
9.形や大きさの違うお金