海外の部 ABU地域 シニア・グループ 佳作
「視覚障害者のコミュニティー、包括的社会に対するものなのか?」
パキスタン サジッド・マジード(29歳・男性)
 視覚障害者は今もなお教育を受けることができず、さまざまな施設や雇用において差別されています。往々にして家族も関わろうとしません。その結果、彼らは悲惨な貧困の状態で、生活をしているのです。
 視覚障害者の生活の特徴は、失業、貧相な住居、不適切な医療、生涯学習・文化・スポーツ・レクリエーションへの障壁です。視覚障害者は、社会の中で最も貧しく、そのために抑圧され、社会的に軽んじられ、排除されていくと言っても過言ではありません。
 視覚障害者が直面する課題に対応するためには、教育プログラムに注目し、必要な資源や訓練を受けた人材を配していかなければなりません。地域に根ざしたリハビリテーションやその他の障害者組織を支援、拡大していく必要があります。これは議会が障害者の権利に関する法律を制定することによって、達成することができます。

視覚障害者の直面する課題
 視覚障害者は、視覚障害者や視覚障害者の基本的権利に影響する意思決定や開発プログラムに参加する力をそがれがちな問題に直面しています。
 障害者の権利に関する法律がないことが、今日の我々の社会で視覚障害者が多くの問題に直面し続ける主な理由です。
 視覚障害者の非識字率が高いために、今日の労働市場において不適格とされます。
 文化的固定観念も視覚障害者の発展を妨げています。視覚障害者の業績は価値のないものだとみなされます。悪霊の助けによってなされた業だと思われているからです。その結果、多くの視覚障害者は表に出たがらなくなり、ほとんど全てのことを親戚に依存するようになるのです。
 視覚障害者の能力が知られていないことも地域社会の大きな問題です。地域の多くの人は、視覚障害者やその他の障害者は扱いにくく、何も役にたたないとみなしています。そのため、家族のこと、意思決定、地域社会の開発プログラムには参加させてもらえません。教育や社会的生活といった地域社会における基本的なサービスを受けることですら拒まれます。
 目の不自由な子供の教育には特別な訓練を受けた教師が必要であることは注目に値します。しかし、教員養成のための大学では特殊教育が考慮されていません。その結果、教員養成大学を卒業しても、教師は、特殊教育の必要な子供を扱う知識を十分身につけていません。そのため、クラスではこうした子供たちにほとんど注意が向けられないのです。
 視覚障害者の教育を促進するための資源がないことは、学ぶ意欲のある人に特に影響を及ぼす重要な要素です。多くの学校では統合教育を行える教育を受けた人材がいません。数少ない盲学校でも、資源がありません。つまり、点字器、文字を書くフレーム、点字用紙、点字書籍、タイプライター、テープレコーダーがありません。ほとんどの学校・大学の規定の教科書は墨字で、目の不自由な生徒は読むことができません。これを点字にしていく過程は時間がかかるだけではなく、うんざりとする作業です。必ずしも全ての盲学校が政府の認可を受けているわけではありません。

視覚障害者の問題の影響
 上記の問題により、視覚障害者は貧しい人の中でも最も貧しいのです。視覚障害者は街頭で学齢期の子供と一緒に物乞いをしています。つまり教育を受ける権利をはく奪されているのです。子供たちは貧困を受け継ぎ、社会にとって脅威にもなるのです。
 ほとんどの視覚障害者は教育を受けていないために、有益な職にもつけません。教育をある程度受けていても、受け入れを拒否する職場もあります。
 多くの目の不自由な人は、職を確保できないために、家族は役立たずとみなします。事実、多くの家庭は視覚障害者を家に置きたがりません。移動の介助をせず、また定期的な食事を与えなかったりします。

問題への対応
 上記の問題に対応するには、全ての視覚障害者が受けることができるしっかりとした教育プログラムをつくる必要があるでしょう。サリー・ハートレーは「教育は、障害のある人の経済的なエンパワーメントのために強力な手段である」と言ってこの考え方を支持しています。
 また、国内の教員養成校のカリキュラムに特別支援教育を緊急に盛り込む必要があります。これは、教育省の中に特別支援教育部門を設けることによって、そうした機能の実行が可能になります。視覚障害者やその他の障害者のためのプログラムを実施するためには、特別支援教育部門と効果的に協力していくことが非常に重要になるでしょう。
 政府、国会議員、地方自治体、従来の統治者が踏むべき一つのステップは、視覚障害者や他の障害者が地域社会において直面している問題を認める障害者法の制定に向かって力を発揮することです。国会議員は、障害者権利法の議案は、視覚障害者だけではなく、彼らの子供や他の家族のためにもなるということを認識すべきです。家族や地域社会にあまり依存しなくなるからです。
 問題への別の対応法は、地域に根ざしたリハビリテーションプログラム(CBR)を支援し、障害者の組織と緊密に協力することです。「CBRは、家族や地域社会の自然な環境の中で、障害者がその潜在性や機能を回復し、最大限に発揮できるよう試みています」(ハーレー、2001年)
 地域社会の意識を高めることも、視覚障害者の問題に対応する上で欠かせません。新聞、ラジオ討論、電話、ポスターは、地域の人がCBRプログラムで果たすべき役割に気づかせる大きな役割を果たします。
 否定的な態度については、障害のある人に対し、自分の障害を受け入れ、自分についてもっとポジティブに考えるようサポートをすることによって、意欲をわかせることができます。

結論
 政府が貧困削減の夢を達成しようとするのであれば、視覚障害者が直面している問題への対応を真剣に考えるべきです。CBRやDPOを通して視覚障害者の教育や社会的包容の取り組みを支援していくことにより、政府の関心が高まっていくはずです。障害者の権利に関する法律制定は適切な方向に向けた一歩になるでしょう。