海外の部 WBU-NAC地域 ジュニア・グループ 佳作
「あなたはブライユ式点字やオーディオ機器をどのように活用していますか」
アメリカ テイマー・ザイド (20歳・男性)
 もう一人の私
 私はわずか9歳のとき、その年齢の子供にとっては最も困難だと思われることに、直面しました。白血病と診断されたのです。白血病による数々の合併症に見舞われ、ついには視力を失いました。目は私が持っている最も大切なものでした。目のおかげで世界を見たり体験したりすることができました。しかし病気になった後、何もかもが永遠に変わってしまうようでした。私は抱えきれないほどのストレス、怒り、悲しみに打ちひしがれ、これまで当たり前だったことが何もできなくなってしまったと感じました。自分の身に起こった変化や新しい環境に慣れるのは、とても大変でした。でもそれが私にとっての新しい現実だったのです。これから生活していくため、そして人生を生きていくために、必要なことを新たに学んだり、もう一度学び直したりしなければならなかったので、まるで自分が、生まれたばかりの赤ん坊になったような気がしました。
 たくさんのことを学びました。その中で、学んで本当によかったと心から感謝しているものは点字です。点字は私の人生を救ってくれました。視力を失ってから10年余り、あらゆる場面で点字のお世話になってきました。今では点字は紙でのコミュニケーションや自己表現するときの手段となっています。点字は世界中の全ての視覚障害者と私を結びつけてくれる、世界共通の言語です。
 点字を通して世の中の多くの人々が結びついていることを知って、私はとても素晴らしいことだと思いました。
 点字を学んだことで、私は学校教育を継続することができ、優秀な生徒として高校の卒業証書をもらうことができました。それは視覚障害者の私には無理だと思っていたことです。点字を学んで、読書ができるようになりました。点字は、少年の私が心からやりたかったことを可能にしてくれたのです。確かに、点字を学ぶことはとても大変で、ある程度上手に読み書きができるようになるまでは、練習を重ねなければなりませんでした。楽譜を読むのにもピアノを習うのにも、点字を使いました。それは少年の私にはとても楽しいものでした。現実から逃れて、もう一度幼い子供の頃に戻ったように感じたからです。
 中学高校時代、私は点字ノートテイカーを使っていました。おかげで毎日の宿題を全部こなすことができたし、それで授業のノートを取るのも楽しみでした。ハドリー盲学校ではいろいろな科目が履修できたので、点字楽譜も読めるようにもなりました。学校では多くの科目を勉強しましたが、その中にインターネットの基礎があり、インターネットのウェブページを見る方法やeメールの使い方を勉強しました。マイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントの使い方も勉強し、それが学校の課題をこなすのにとても役立ちました。最後に、自分の部屋をきちんと整理整頓して、奇麗にしておく方法を身につけました。洋服や書類をきちんと整理できる点字ラベラーの使い方を学んだのです。私は小さい頃から、掃除や家の中の手伝いが大好きでした。点字ラベラーを使うことで、家族に手伝ってもらわないでも、自分の物をきちんと自分で整理できるようになりました。私は点字ラベラーを家でも学校でも外出先でも使いました。この素晴らしい道具をいつも手元に置いて使うようになってから、生活が容易になりました。
 点字という素晴らしい言語を学べて本当によかったと感謝しています。私のこれまでの成功も私の才能も、全て点字のおかげです。点字は少年の私に人生を取り戻させてくれました。そして、目標や大きな夢を与えてくれました。
 点字のおかげで、自分のやりたい事を見つけることができました。私は法廷速記者になることを目指しています。そうすれば、点字を通して学んだスキルだけでなく、自分のコミュニケーション能力も生かして仕事で力を発揮できます。私の成功は全て、私を導いてくれた人たちや先生が、点字という可能性を与えてくれたからです。
 この言語を学ぶことで、私はたくさんの恩恵を受けました。より強い人間となり、確固たる自信を身につけました。法廷速記者になるという目標がかなうことを願うと同時に、必ずなれるとずっと信じています。学校では困難なことがたくさんあると思いますが、点字によって身につけたスキルがある限り、どんなことでもできると確信しています。これからも自ら進んで努力を続け、目標を達成し、この世界を生き抜いていけるよう、点字を使い続けます。
 点字が私にテクノロジーの世界を開いてくれました。日常生活でいろいろな機器を活用しています。点字が私に開いてくれた素晴らしい世界には、チャンスと可能性があふれていて、そのおかげで劇的に変化し、進化し続けるこの世界で、私は自分の居場所を見つけることができたのです。