海外の部 WBU-NAC地域 ジュニア・グループ 佳作
「自立して生活していくためのツール」
アメリカ アスペン・プール (15歳・女性)
 視覚障害者が自立して生活していくために、どんなツールを使っているかご存じですか?  私の場合、ブックポートやビクターストリーム、ブレイルノートなど支援技術を用いたツールを数多く使っています。また、ノートパソコンにインストールしてあるJAWSやSDカードなども使ってさまざまな情報を得ています。墨字を点字に変換することができるDuxburyというプログラムも使用しています。このような支援技術によって、情報を得ることができ自立して生活していくことができるのです。
 情報を得るためには、まず点字の読み書きが必要です。私は10年以上点字で読み書きしています。パーキンス点字タイプライターでメモを取ることが気に入っていて、これだとオーディオ機器を使うよりも速く簡単に読むことができます。点字を読むことは、音声で聴くことよりも難しいと思います。点字に集中しつつも内容も理解しないといけないからです。でも、短い文章を点字で読むことは楽しいと思います。ニューヨーク州バタヴィアで開催された点字コンテストに参加したときに2〜3ページほどの文章を読んだのですが、その文章に対する選択問題が分かりやすかったので、点字を読むことは楽しいとそのときに思いました。
 また、点字が便利だと感じるのは点字ラベルが貼ってあるときです。私は点字ラベラーを使って学校のファイルなどに点字ラベルを貼っています。メモを取るときも点字は便利です。教科書や本を始めから終わりまで全て点字で読むことは好きではないので、本の場合は音声データをダウンロードします。ただ、だからといって点字が不要なわけではありません。目次を点字で読んでから本文を音声で聴くのです。私はこのようにして点字を使って情報を得ています。
 情報を得るためにオーディオ機器も使用しています。私はビクターストリームとブックポートという機器を使っています。ビクターストリームには、学校で使う教科書や本のデータを保存しています。データは、ブックシェアというオンライン上の図書館からダウンロードしたものです。ダウンロードした書籍を聴き、ブレイルノートでメモを取っています。最近、音声データで聴いた本は、ロイス・ローリーの「ギヴァー 記憶を注ぐ者」です。主人公のジョナスがギヴァーに記憶を伝達する場面が興味深かったです。またブックポートは教科書などを読むのに使っていました。でも、点字コンテストの賞品としてビクターストリームを手にしてからは、教科書を読むのにはビクターストリームの方が良いので、ブックポートは記録用だけに使っています。ビクターストリームはオーディオ機器から直接情報を記録することができないので、ブックポートの方が記録性能がよいからです。 学校でも家でも、ブレイルノートアペックスという機器を使っています。これは、点字表示部が32マスで、表示部を使って文字を消したり書き直したりすることができます。学校でノートを取ったり、家で宿題をしたりするなど、さまざまな場面で使うことができます。ブレイルノートは、パーキンス点字タイプライターのように6点式点字を打つことができます。晴眼者が使う一般的なキーボードはついていません。私は辞書や計算機、カレンダーとしても使っています。今週の社会科のテストでは、ブレイルノートで問題を読みノートパソコンで解答しました。また、ブレイルノートを使ってUSBに保存しておいた板書内容を見直すこともできます。ブレイルノートのよいところは、コンパクトで軽く、点字用キーボードがあることです。
 この他に、点訳ソフトも使っています。私の母はDuxburyを使っていて、墨字の印刷物をスキャンしてパソコンに取り込み、点字で印刷しています。まず、スキャナーを使い印刷物をスキャンします。その後、スキャンした情報をDuxburyに取り込みます。 母は点字プリンターのロメオも使っており、それで点字を印刷することができます。そして点字の印刷物をファイルにとじてくれるので、学校に持って行って授業で使うことができます。
 さらに、情報を保存するためにUSBやSDカードも使います。今のところ、USBを一つとSDカードを3枚持っています。3枚のSDカードのうち2枚は自宅用として使い、1枚には教科書のデータを全て保存しています。SDカードは、パソコンに差し込みデータを移すことができます。私は自由時間に、たくさん持っている音声データファイルや音楽を聞いています。USBは8ギガバイトの容量があり、ブレイルノートに入力した全てのデータを保存しています。このデータの一部は、USBをなくしたときに備えてSDカードにバックアップを取っています。USBやSDカードは、持ち運ぶことができるので便利です。
 ノートパソコンも持っていて、JAWSという音声読み上げソフトをインストールしてあります。このソフトを用いて、文字入力から文書の印刷、保存までマイクロソフトのワードを自分一人で使うことができます。さらに、切り取り、コピー、貼り付けをしたり、下線やハイライトを引いたりすることもできます。また、インターネットエクスプローラーで検索する方法も知っています。とはいっても、ブレイルノートのほうが効率がよいため、JAWSはあまり頻繁に使うことはありません。ブレイルノートのほうがコンパクトで置くスペースを取らない、ということもあります。
 このように、自立して生活していくためのツールは、毎日の生活に不可欠なものであり生活を支えてくれるのものでもあります。このようなツールがないと、私は学校生活を送ることもできず、家で使うこともできないでしょう。視覚障害者の皆さん、このような機器をぜひ購入して使ってみてください。