海外の部 WBU-AP地域 シニア・グループ 優秀賞
「点字とオーディオ機器のおかげで普通の生活が送れるように」
フィリピン マーガレット・グレイス・オン・ベロソ・リム (42歳・女性)
 私は17歳のときに黄斑変性により視覚障害者となりました。そのときから、私の人生はまったく変わってしまいました。読書が困難になり、勉強するのにも大変努力を要するようになりました。本を読むのに虫眼鏡を使ったり、他の人に頼って読んでもらわなければならなくなりました。意味の分からない言葉に出くわすと、辞書が使えないので無視するしかすべがありませんでした。通常の文字が読めませんでしたから、教会の仕事でも、聖書の節の朗読などを避けるようになりました。
 ある日、「視覚障害者リソース」(RBI)で点字の通信コースを受講できることを知りました。私は、点字で多くのことができるようになりたいと期待しながら、コースに登録しました。わたしは点字を学ぶことによって大の読書好きになり、あれほど嫌いだった読書が好きになったことが、信じられませんでした。読むことが、ひどい苦痛から大変楽しいものに変わったのです。
 容易に文章が読めるようになったことで、私の生活は大変便利になりました。点字でたくさんのメモを取る、お気に入りの料理のレシピを書く、CDのラベルを作る、書物を分別する、買い物リストを書く、そして自分専用の辞書を作ったり、といったさまざまなことができるようになりました。また点字のおかげで、私の秘密重要書類を安全に、他の人がアクセスできないように保管できるようになりました。
 例えば、私には極秘の料理のレシピがあるのですが、私のビジネスのためにこのレシピを秘密にしておく必要があります。このレシピは点字で書かれているため、他の人に読まれることを心配することなく使うことができます。また、この点字レシピは透明なプラスチックシートに書かれているため、汚れたら洗うこともできます。同様に、私のEメールのパスワード、銀行の現金自動払い機の暗証番号、その他の、秘密にしておきたい情報には点字を使っています。
 オーディオ機器も、私が普通の生活を送るのに非常に役に立っています。たとえば、音声認識腕時計を使って、アラームをセットしたり、毎時時刻を知らせたり、ボタンを押せば現在時刻が分かるようにできます。
 音声認識電卓を使えば、全ての計算の入力ができ、結果は音声で知ることができます。話す体温計を使えば、自分で体温を測ることができます。私はまたデジタル版聖書を持っており、それを使うと簡単に必要な聖書の節を聞くことができます。信じられないかもしれませんが、聖書全体をページごとに聞くことができるんです! 聖書がオーディオプレーヤーに入っていなかったら、こんなことはできなかったでしょう。
 オーディオ機器はこれ以外にもたくさんあるのですが、高価なため買えない物があり、経済的に余裕ができたらすぐに購入したいと思っています。例えば、携帯用の音声フィードバック機能付きのテキストメッセージが利用できる高度なソフトウェアなどです。
 IDメイトは買い物の際に、バーコードを読んでくれ品物が何か分かるので、とても便利です。知らずに間違った製品を買ってしまうことがしばしばあるのですが、IDメイトがあるとそんな間違いも防げます。
 飛行機で旅行するときに、空港の荷物引き渡し用コンベヤーで自分のかばんがどれか識別することができないのですが、荷物ロケーターがあれば、ボタンを押せば、私のかばんを見つけて音声サインで教えてくれます。この荷物ロケーターは、すぐなくしてしまう物に付けることもできます。MP3プレーヤーは、コンピューターからダウンロードした音楽を保存できますから大変便利です。音楽以外にも、外国語会話などの音声教材も保存できます。MP3プレーヤーは持ち運びに便利ですから、いつでもどこでも利用することができます。実際私はポケットに入れているんです。
 私のお気に入りのオーディオ機器は、コンピューターのスクリーンを読んでくれるソフトウェアです。JAWSソフトウェアを使うと、ワード、表計算ソフト、コンピューター用スライドショー、ウェブ・ブラウザー、Eメール、データベースなどのさまざまなソフトのアプリケーションを利用できます。
 スクリーン・リーダーを使えば、私は晴眼者と互角に仕事をすることができます。文書を読み書きし、綴(つづ)り確認をし、内蔵辞書で言葉の意味を調べたりといったことができるのです。自動表認識ソフトで、財務報告書を作成したり、プロのようにスライドショーを作ることもできます。点字でスライド用のメモを書き、プレゼン用のスライドを作るのは得意です。
 本当にコンピューターのおかげで、学ぶことができるようになっただけでなく、世界の人々とつながることができるようになりました。海外のオンライン通信講座を受講できるのです。現在、私は社会人教育プログラムのハドリー盲学校で勉強しています。
 コンピューターはまた、私の余暇をより楽しいものにしてくれました。オンラインショッピングをしたり、ソーシャルメディアで人とコミュニケーションを楽しみ、視覚障害者用にデザインされたゲームをしたりします。
 本当に点字と技術は、私の人生に大きな変化をもたらしてくれました。私の自立を助け、人生を充実した生産的なものにしてくれました。私は知的、社会的、そして精神的に成長する力を与えられました。