海外の部 ABU地域 ジュニア・グループ 佳作
「『光』としての視聴覚メディア」
スリランカ ルチア・セネビラトゥネ (23歳・女性)
 現代のメディアは、視覚障害者の心を照らす光としての地位を確立しました。
 先史時代から21世紀までの長い時間を少し振り返ってみましょう。古代の人々は、太鼓をたたいたり、矢を放ったり、木に絵を描いたり、叫んだりといった、初期のコミュニケーション手段を用いてメッセージの交換を行っていました。
 しかし今日、人は知識を向上させ、その結果多くの高度なコミュニケーション手段を開発しました。ほんの一瞬で世界中の様子を知ることができるようになりました。
 現代のメディアは視覚メディアと聴覚メディアの二つに分類されます。
 まず視覚メディアについて考えてみましょう。新聞、本、テレビ、コンピューターなどは視覚メディアに分類されます。視覚障害者は視覚に障害があるため、視覚メディアは決して使い勝手がいいわけではありません。しかし、自身も幼少の頃に視力を失った偉大なルイ・ブライユにより点字システムが考案され、このシステムは後世の全ての視覚障害者への素晴らしい贈り物になりました。本は点字に訳され、視覚障害者も最高レベルの教育を受けることができ、その指先を通して世界を知ることができるようになりました。
 聴覚メディアは、視覚障害者にとってより身近な存在です。特にラジオは、何十年もの間、最も重要で便利なメディアでした。ラジオを通じて、数分のうちに国内外の全ての情報にアクセスすることができました。
 聴覚メディアのおかげで、視覚障害者も晴眼者と同じように知識を高めることができます。また聴覚メディアは、視覚障害者の就業問題の解決策を提供してくれます。現在、視覚障害者もアナウンサー、歌手、執筆家などとしてさまざまな分野で活躍し、メディアによって脚光を浴びる場に出ることで、さらなるスキルアップ、創作活動へのモチベーションを得ています。
 歌の分野では、マスコミが数々のコンテストを開催し、視覚障害者の若者が晴眼者の若者と一緒にコンテストに参加し、さらにスターになることもできます。このように芸術分野においても、視覚障害者は社会の役に立つことができます。たとえば、スリランカの人気歌手、Mekala Gamageさんは障害があるにもかかわらず、その美しい歌声で多くの人の心をつかみました。また大勢の中から一人を挙げるとすると、視覚障害者ですが世界的に有名なスティービー・ワンダーさんのような歌手にも拍手を送ります。歌手だけでなく、ピアノやオルガン、バイオリン、フルートなど、さまざまな楽器の演奏にたけている視覚障害者の人たちが芸術分野を豊かにしています。
 コンピューターは、技術の進歩により作り出された最も強力な視覚メディアと言えます。特に「音声ソフト」付きコンピュータは、コミュニケーションにおいて想像を超える便利さを視覚障害者にもたらしてくれました。コンピューターは、視覚障害者が社会の本流で他の人々と協調して仕事をする際にとても大事なものです。また、視覚障害者の就業問題の解決においても多大な貢献をし、視覚障害者が自立して世界に一歩を踏み出す機会を与えてくれました。
 今日では、多くの視覚障害者がコンピューターのオペレーターとして働いています。音声ソフトのおかげで、視覚障害者は晴眼者と同じようにインターネットを探索したり、インターネット上の本や新聞、映画などを聴いたり、文書を書いたり、電子メールを送受信したり、フェイスブックやツイッターを利用したり、チャットに参加したりできます。視覚障害者もコンピューターを使って国を越えた関係を築けるようになり、経済・物質の両面で視覚障害者への持続的な支援の流れにつながりました。その結果、母国でも視覚障害者の生活が経済的に豊かになり始めました。十分な教育を受けた視覚障害者世代は、将来必ず必要とされることでしょう。コンピューターはもともと視覚メディアとして作られましたが、今ではほぼ視聴覚メディアと言えるでしょう。
 携帯電話もソーシャルメディアの一部と言えます。一般的に携帯電話は誰にとっても役に立つコミュニケーションの手段ですが、視覚障害者にとってのその有用性は言うまでもありません。誰かに頼らなければならない、移動が制限されるということは、視覚障害者の生活では避けて通れない部分です。それゆえ、人間関係を維持したり緊急時に連絡を取るために、携帯電話は掛け替えのない貴重なものなのです。ここでもまた音声ソフトのおかげで、携帯電話の機能を十分に活用することができます。ショートメッセージを送ったり、受信した文章を読んだり、着信履歴をチェックしたり、その他さまざまな機能を利用することができます。視覚障害者にとって、いろいろな機能の付いた携帯電話を持ち歩くことは、いつも進んで手助けしてくれる友人と一緒にいるようなものです。
 ほとんどのメディアには、好ましくない影響や健康に良くない影響があることは否定できません。しかし、視覚障害を持つ学生として、ソーシャルメディアとはどんなものなのかは、十分分かっています。そして、メディア機器をコントロールするのは私であり、メディア機器が私をコントロールすることはできないのだと確信しています。