海外の部 WBU-NAC地域 ジュニア・グループ 佳作
「自立への鍵」
アメリカ アシュレイ・バーナード (19歳・女性)
 私たちは日々、鍵に頼って生活しています。家に入るとき、車に乗るとき、大学の寮の部屋に入るとき、場所によっては大学の建物に入るときにも鍵が必要です。ウェブサイトにログインするときに必ず使うユーザー名とパスワードも一種の鍵です。
 視覚障害者が自立するための鍵は六つの盛り上がった点で構成され、点字と呼ばれます。視覚障害者は主に音声、晴眼者の助け、点字のこの三つの方法で情報を得ます。音声には限界があります。印刷物にラベルを付けるのに音声は使えません。
 いつも音声や電子的な方法で情報を入手できるわけではありません。部屋番号やエレベーターのボタン、通常点字や文字だけで書かれた表示などは音声で読むことはできません。
 晴眼者の助けを借りる場合の問題はさらに明らかです。何かを読むのに常に誰かに頼るか電子機器に頼るかしかありません。だから、視覚障害者が完全に自立するには点字が最善の方法なのです。
 自宅であれ、学校であれ、職場であれ、点字が成功の鍵です。思いつくものなら何にでも点字を使うことができます。しかも、読むにも書くにも点字を使えるということが重要です。印刷した文書のラベルにも点字を付けることができるので、どの文書がどれというのがわかります。
 ラベルは、他にも同じような形のフォルダー、バインダー、箱、缶をはじめ、たいていのものに使えます。電子レンジやオーブン、コンロのボタンに点字ラベルを貼れば、一人で台所に立つことができます。点字レベルを使えば可能性は無限に広がります。
 それでもまだ点字を勉強してみようという気持ちなれないなら、これはどうでしょう。学校であるグループに入ったとして、そのグループの何人かの友達から人気のレストランで一緒に夕食しようと誘われたとしましょう。人気レストランの多くでは、席につくときに、店員に点字で書かれたメニューを持ってきてもらうことができます。メニューを見て自分で注文できるのです。
 点字を読むことができなければ、誰かに読んでもらうしかありません。それでは時間がかかってしまいます。自分でメニューを読むことができれば、新しい友達に自分は自立していて他の人の助けは必要ないということを示すことができます。
 もうひとつ点字が役立つのは名前や単語のスペルを知りたいときです。音声や、コンピュータ画面読み上げソフト、スクーンリーダーでも、なかなかスペルはわかりません。しかも、読み上げの速度が遅いのです。入力しているときはスペルミスをしてもスクリーンリーダーが正しく発音してくれるときがあるので、ミスに気付かないこともあります。
 そのうえ、すべての印刷物をずっと音声で聞き続けるというのはストレスです。いつも自分のペースで聞けるわけではなく、また、該当箇所をすばやく見つけたり、何の文書かを確認したりするために点字や墨字の文書のようにざっと目を通すということもできません。もっと言えば、音声を聞いているときに、だれかがあなたの注意をひこうとしてもあなたは気づかない可能性もあります。 
 完全な自立のためには、誰にでもいくつか必要なことがあります。完全に独立したい視覚障害者には点字が必要です。統計的にも、点字を読める視覚障害者の方が仕事を見つけやすいことが証明されています。点字こそが独立するための鍵なのです。
 点字なしでは、たくさんの人々が文書を読むのに、もっと他の何かに頼らなくてはなりません。車や家あるいは部屋から締め出されたような気分です。点字なしでは、視覚障害者は書かれたものから切り離されたかのようです。