海外の部 EBU地域 ジュニア・グループ 優秀賞
「点字を使うこと ―― 私の話」
アイルランド ヴィクトリア・デ・オリヴェイラ (12歳・女性)
 キンコンカンコーン! 新しい学校に入ったときに聞こえたチャイムの音が、今でも鮮明に私の耳に残っています。
 母と手をつないで廊下を歩いていると、足音や子供たちの話し声が聞こえてきて少し緊張しました。ここから私の話が始まります。私はヴィクトリア・デ・オリヴェイラ。新しい生活を始めるために遠いブラジルからアイルランドのロスコモン州バリーリーグにきた7歳の目の見えない女の子。緊張していましたが同時にわくわくもしていました。学校の先生も子供たちもとても親切で、すぐに慣れました。
 私の母国語はポルトガル語なので、まず英語を勉強しました。先生方、視覚障害児専任の訪問教師、特別支援補助員の熱心な支援のおかげで、すぐに英語を習得することができました。点字で読み書きを学ぶ準備ができたのです。私は、今でもこの点字を発明したルイ・ブライユの才能には驚きを感じています。点字のおかげで、実にいろいろな方法で学習を楽しむことができるからです。六つの点で構成されるマスでアルファベット文字を表し、その点字を使って読み書きができるなんて信じられません。点字には短縮形や省略形などもあるので、文字を速く書くことができます。
 点字のおかげで、私は同じ5年生のクラスメートと同じような学校生活を送ることができます。担任のキャロル先生の授業は数学から始まります。私はクラスメートが使っているのと同じ教科書の点字版を使っています。点字でたくさんの数学記号を覚えて問題を解くことができるようになりました。スペリングの授業では、教科書に出てくる単語のスペルだけでなく点字の短縮形も学んでいます。私は記憶力がいいので、文字や数字の短縮形の点字をしっかりと覚えることができます。
 私は読書が大好きで毎回英語の授業を楽しみにしています。友人と同じレベルの本を読めることを誇りに思います。最近授業で小説を読み始めました。私は点字で読んでいます。点字のおかげで自由時間にも読書を楽しんでいます。何よりも楽しいのはキャロル先生の音楽の授業です。特別支援補助員のウォレス先生が、私がティンホイッスルや歌を簡単に学べるよう点字で楽譜を書くのを手伝ってくれます。有名な盲目のハープ奏者で、音楽で成功したターロック・オキャロランから大いに刺激を受けました。点字のおかげで、私の音楽のファイルは音楽や歌でいっぱいです。音楽の勉強はこれからも続けていくつもりです。また歴史、地理、化学、宗教も点字を使って勉強しています。学校生活は忙しいけれど、とても面白いです。
 小学校には素晴らしい思い出がたくさんあります。個人的な思い出もあります。その一つは、ダブリンで点字読書の日にロディ・ドイルと会ったことです。彼は表現が豊かだと私の読み方を褒めてくれたので、とても嬉しく思いました。点字のおかげで私は自分の才能を活用することができるのです。天使についての詩を書いて、詩のコンテストで優勝したこともあります。点字がなければできなかったことです。
 大統領に会ったこと、ダブリンのクリスマスの合唱コンサートに行ったこと。いろいろな事を書きました。友人たちは点字のしくみに興味を覚えて、教えてほしいといいました。親友のサラはよく私の家に来ます。サラに点字を教えました。サラは私の大切な友達です。二人でおしゃべりし、笑い合い、いっしょに宿題をします。
 学校でも点字はよく使われています。でも、もっと日常生活で点字が使われるといいなと思います。例えば、点字の雑誌や新聞、メニューなどがあると、ずっと生活が楽になると思います。
 私は今12歳で、両親とかわいい1歳の弟ヴィシニウスと一緒に住んでいます。将来の夢はたくさんあります。点字スキルをもっと磨いて2級や3級を目指したいです。点字学習の支援や開発途上国での言語学習の支援をしたいと思っています。また、音楽や宗教のすばらしさを伝えたいと思います。私の未来がどうなるかは誰にもわかりませんが、どんなことにも負けずにがんばろうと思います。