海外の部 EBU地域 シニア・グループ 佳作
「私を変えた点字」
モンテネグロ ヴァデル・ムシク (73歳・男性)
 指が無数の盛り上がった点の上を通り過ぎると、点たちは歌い、物語をささやく。強さと持続、誇りと情熱の物語を。誕生してから既に200年近く経ったが、依然として若く情熱的で、常に永遠と安定を保っている。点字は語り、歌い、喜びを与え、幸せをもたらしてくれる。

 点字はただの小さな点ではなく灯だ。点字には謎も闇もない。すべてが明らかでオープンで、香ばしく情熱にあふれている。私たちの命の真ん中で、こぼれる涙や笑みを表現してくれる。

 そこにどれだけの力とどれだけのメッセージがあるかなど誰にもわからない。そこにどれだけの存在感や絶対的な明白さがあるかなど誰にもわからない。一見すると、点がどんな順番で、どんな番号で並んでいるのかよくわからない。でも、指で点を触るだけで違う世界が見えてくる。その世界を心と魂で楽しむことができる。逃げてしまった光も、点に触れるとまた見えてくる。点は光の微妙な違いさえも表現し、それを思いや感情の刺繍作品に仕上げる。そして、その作品は記憶され永遠のものになる。

 私は夢の中でも現実にも点を感じる。リズミカルに拍動し、動き、視覚障害者の素晴らしい人生をつくりあげている点を。