AWRAT(Advanced Wide Range Amplier Technology)
A-9000Rに採用されているAWRATは、パワーアンプ回路に対するオンキヨーの先進的な設計思想です。「DIDRC」に加えて、次の技術から成り立っています。
低NFB回路設計
負帰還(NFB)はアンプの特性を改善する手段として大変有効ですが、音楽のアタック音など瞬間的に変化する信号や、高い周波数においてはNFBでは改善できない領域があり、これらの条件ではアンプの裸特性がそのまま現れるのです。
高周波まで裸特性の良いDIDRC技術と裸特性の良い回路設計によって、最小限のNFBで音楽の表現力を損なわないサウンドが
得られるのです。
グランド電位を安定させる閉ループ回路
セパレートコンポの音が良い理由の1つに、それぞれが独立していることでお互いの干渉を受けにくいというメリットがあります。
回路でも同様にそれぞれの回路ごとにコンポーネント化を図り、電気的に閉じたループで設計することにより干渉を防いでいます。
瞬時電流供給能力(HICC)
スピーカーシステムは一定の負荷ではなく、音楽信号など周波数によってインピーダンスが常時変化する性質であるため、瞬間的には
ショートに近い状態となることがあります。
A-9000Rでは瞬間的に140Aもの電流を供給することができ、たとえショートに近い状態であっても、電流を制限することなく、スピーカーを
確実にドライブしきることが出来るのです。
最高24bit/192kHz対応のHDオーディオ対応D/Aコンバーター
A-9000Rにはウォルフソン製の高性能192kHz/24bit 対応のD/AコンバーターをL/R各チャンネルに搭載。デジタル入力端子も光、同軸、AES/EBU、USBと豊富に装備し、同軸、AES/EBUでは最高24bit/192kHzに対応(光は24bit/96kHz)し、PCからの音声再生が可能なUSB接続においては、 24bit/192kHzのHDオーディオの再生に対応。
クアッドプッシュプル構成 3段インバーテッドダーリントン回路
スペック向上には貢献するものの実働時の音質阻害の要因になると言われているNFB(Negative Feed Back)を徹底的に抑えて、電圧の超安定化を図る3段インバーテッドダーリントン回路。過渡応答特性の大幅な改善が実現するこの回路を、A-9000R の増幅段に搭載しています。
一般的には発振しやすく取り扱いが難しい回路ですが、オンキヨーは独自のHi-Fi 技術を駆使することで、搭載を可能にしました。また各チャンネルに対して8つのトランジスターを使用したクアッドプッシュプル構成を用いることにより、スピーカードライブ能力をさらに向上させています。
また、ドライバー段は安定度の良い反転を二段で構成し、明瞭な音像定位と、正確な音場空間を再現しています。
ジッターを極限まで抑えるアシンクロナス転送
通常のUSB接続ではデータを送信する機器内のクロックで同期を図っていますが、受信する機器内のクロックとの間の差により、ジッターが発生していました。A-9000RのUSB接続では受信側となる本機内の高精度クロックで同期を図るアシンクロナス転送方式を採用。信号の送受信時におけるジッターの発生を極限まで抑えることに成功しています。
また、高周波ノイズの影響を排除する、DIDRCの特徴によってデジタルノイズの影響を抑え込んでいます。
※A-9000R によるPC からの音楽再生には、オンキヨーWEB サイトからダウンロードした専用ソフトウエア(ドライバー)が必要です。
回路基板の振動を防ぐブリッジマウンティング方式
内部の各基板の装着は、一般的なオーディオ機器のようにボトムシャーシにではなく、両サイドフレーム間をブリッジする支柱に取り付けるブリッジマウンティング方式を採用。筐体底面から内部の基板への不要な振動の影響を大幅に抑制します。
セパレートパネル構造
フロント/ サイドパネルには制振性に優れたアルミ押し出し材を使用し、共振の発生を徹底して抑えるために各面ごとに分割させるセパレート構造を採用。一体型のシャーシと比べてより丈夫で、音へ悪影響を及ぼす振動も抑えられます。また筐体全体を支えるボトムシャーシには肉厚なスチール材を使用することで、制振性がさらに高められています。
さまざまな用途に応える多彩なモード
通常のプリメインアンプとして使用する「NORMAL」モード、パワーアンプとして使用する「MAIN」モード、プリアンプとして使用する「PRE」モードに加え、「SPLIT」モードを搭載。プリアンプ部とパワーアンプ部を分離して使用することが可能になるため、プリアンプ部で処理した信号をいったん外部出力し、グラフィックイコライザーなど外部機器を経由したのちにその信号を再度入力し、パワーアンプで増幅してスピーカー出力が可能。最新のデジタル対応プリアンプとして、またはDIDRCを搭載したパワーアンプとして、将来セパレートアンプへのアップグレードにも対応した安心の設計です。
小音量でも豊かな音色 オプティマムゲイン・ボリューム
オプティマムゲイン・ボリュームでは、音量調整を可変抵抗器だけに依存するのではなく、同時に前段のアンプ部の増幅度も連動して切り換える方法により、増幅しておきながら、それ以上に減衰させるという不合理を解消しています。
つまり、増幅が必要でない小音量の領域ではプリアンプ部の増幅を行わず、それ以上の増幅が必要な領域でのみ、増幅して音量調整を行う動作原理となっています。
その結果、小音量しか出せないリスニング環境でも豊かなサウンドの再生が可能となりました。
超ローノイズ化を図ったディスプレイ部
A-9000Rのディスプレイ部には、超ローノイズ化を実現するスタティック点灯方式を採用。
一般的な高速で点灯消灯を繰り返して表示するダイナミック方式のようなノイズの発生がありません。
PLL方式ウルトラロージッター技術
ジッターとは、デジタル信号の時間領域での揺らぎのことをいい、D/A変換のプロセスに悪影響を与えます。PLL(Phase Locked Loop)方式のウルトラロージッター技術は、デジタル信号の入力と出力の位相を比較し、正確なクロック波形を作り出すことによってジッターを低減。デジタル信号処理の精度を高め、音質の劣化を防いでいます。
DIDRC回路構成のディスクリートフォノイコライザー&ヘッドフォンアンプ
A-9000Rでは最新のUSB2.0によるデジタル接続やAES/EBUデジタルバランス端子はもちろんのこと、アナログオーディオに対してもクオリティを重視しています。
MM/MC対応フォノイコライザーを搭載するとともに、ヘッドフォンでも高品位な音楽再生をお楽しみいただけるように、ヘッドフォンアンプ部もディスクリート構成としています。
DIDRC回路を採用し、外部からの高周波ノイズの影響を排除する仕様となっています。
また、DIDRCの特徴である、入力信号に対する付帯音(動的ノイズ)を排除する性能により、スクラッチノイズ等の音楽への影響も極小まで抑え込み、アナログ本来の滑らかな質感を再現します。
厳選されたパーツ群
A-9000Rは入出力端子にもこだわりました。RCA端子にはクリーンな接続を可能にする真鍮金メッキ削り出し仕様とし、高品位な極太ケーブルの接続にも対応するピッチを確保。
さらにデジタルバランス入力(AES/EBU)にはアンフェノール社製XLR端子を装備するなど、入出力端子のパーツについても十分吟味して選定しています。