DAC-1000 TECHNOLOGY
新開発「DIDRC(Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry)」技術
可聴帯域を越える高い周波数の音は私たちの耳には聴こえません。しかし聴こえる場合もあるのです。それは複数の高周波波形による相互間のビートが、ある条件下で可聴帯域内信号として変換されるからなのです。このビートとは、複数の周波数の波形が合成されると、その差の周波数成分が発生する現象のことです。
例えばデジタル音声信号などの高周波波形自体は聴こえませんが、それらの周波数が近接して存在すると、ビート現象によって可聴帯域内に余分なノイズを生成してしまうということです。これが混変調歪というもので、特に音声信号と相関を持ったノイズの発生は有害です。楽器等では複数の音色が混ざり合い、ハーモニーとなって美しい響きを作り出してくれます。しかしオーディオ装置では勝手にビートを作り出さないように配慮する必要があります。
スペックで書かれているSN比の値は、信号の無いときの残留ノイズレベルを表します。前述のビートによるノイズは、残留ノイズのレベル以下なので、測定器では計ることはできません。しかし、残留ノイズより遥かに低いレベルで含まれる楽器の倍音が識別できるのと同様に、ビートによるノイズはたとえそれが低いレベルであっても、人の耳には音色の変化として感じてしまう可能性は否定できません。
従来これらのノイズの悪影響は高調波歪率(THD)や可聴帯域内混変調(IM)を少なくすれば良いと考えられてきました。しかしながら、これらの測定項目はアナログオーディオ時代に制定されたもので、ディジタルオーディオで発生する高周波での問題は想定していませんでした。オンキヨーはこれら測定値には表れない動的ノイズの発生メカニズムを究明し、高周波帯域まで増幅性能に優れ、上下の対称性が良く、低歪率を達成した新回路DIDRC(DynamicIntermodulationDistortion Reduction Circuitry)をモジュール化。DAC-1000に搭載することで、デジタルオーディオ時代にふさわしいハイクオリティな音楽再生を実現しています。

32bit/192kHz対応(USB接続)のD/Aコンバーター
DAC-1000にはTI社Burr-Brown製の高性能32bit/192kHz対応のD/Aコンバーター(PCM1795)をL/R各チャンネルに搭載しています。デジタル入力端子も光、同軸、AES/EBU、USBと豊富に装備し、同軸、AES/EBUでは最高24bit/192kHzに対応(光は24bit/96kHz)。PCからの音声再生が可能なUSB接続においては、32bit/192kHzに対応し、HDオーディオファイルのクオリティを忠実に再現します。
高品位DACを左右独立使用
D/A変換部にはバーブラウン製PCM1795(2ch/32bitタイプ)を使用。理想的なアナログ信号を作り出します。またサンプリングレートコンバートにも対応。 192kHzまで対応しており、44.1/48kHz信号であれば4倍、96kHz信号であれば2倍のアップコンバート後にD/A変換が可能。クロックジッターに強く、より広い ダイナミックレンジの獲得に適した信号処理が可能となります。
※USB入力の場合は2倍のアップコンバートのみ対応。
※デジタル出力へのアップコンバートは非対応。
外部機器との接続での伝送ロスを抑える端子部
RCA端子には、金メッキ真鍮削り出しタイプを、XLR端子には宇宙航空機などへの採用で定評のあるアンフェノール社の金メッキ仕様を採用しています。
ジッターを極限まで抑えるアシンクロナス転送
通常のUSB接続ではデータを送出するPC側のクロックで同期を図っていますが、受入側機器内のクロックとのタイミングの差により、ジッターが抑えきれないことがありました。DAC-1000では、DAC-1000側の高精度クロックで同期を図るアシンクロナス転送方式を採用。PC側からのデータ送出の際のジッターの影響を極限まで抑えています。
電気的・電磁的なノイズ干渉をクリアデジタル/アナログ分割構造
アナログ回路とデジタル回路は電気的に全く性質が異なるため、回路間で電気的・電磁的なノイズ干渉が起こり、音質に大きな影響を及ぼします。DAC-1000ではこのノイズ干渉を抑えるために、アナログ回路とデジタル回路を完全に分離してレイアウト。さらに、トロイダル型トランスを採用するなど、電源部の強化も徹底しました。
振動抑制を徹底。不要な共振を抑える強固なボディ
筐体内部の各パーツは、音楽再生時に発生する不要な振動を受けると、音声信号とは異なる電流を発生させ、これが音の質感を曇らせるノイズに結びつきます。これは回路基板に使用されるコンデンサーなどのパーツ類がマイクロホンの役割になり、スピーカーの音圧によって内部に響いた振動を拾ってしまうことに主な原因があります。
DAC-1000では、フロントパネルには削り出しによる5mm厚のアルミ材を、シャーシには1.6mm厚のスチール材を使用。フラットな形状にすることで、筐体底面での不要な共振の折り返しを防いでいます。